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ロシア語操る才媛声優の野望 上坂すみれ

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ロシア語操る才媛声優の野望 上坂すみれ

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 鎌倉で超お嬢様の家柄に育ち、上智大学外国語学部でロシア語を専攻。現在は声優・タレントをしながら上智大学学業優秀賞も授与される優秀さを持つ上坂すみれは、タレントの常識を破るスケール感を秘めている。1月8日にリリースされた1stアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」ではアニソン界の大物、畑亜貴、神前暁や、ポップス界の重鎮、森雪之丞、といった作家陣を迎え、アバンギャルドでアジテイター的世界を構築、アニメという分野から、ロックに負けずにキナ臭いアーティストの登場となった。

 ──「生産・団結・反抑圧」もスローガンに掲げるこのアルバムで国民に訴えたいメッセージとはなんでしょうか?

 「自分の好きなものを好きと言える場所が至上のユートピアであるということです」

 ──つまり、例えばすみれさんの好きなロシアだったりするわけですね?

 「そうです。高校1年のときソ連国歌を聴いてからロシアに興味を持ったのです。アメリカやイギリスの文化と違うじゃないですか? 街中ではやっているようなそうした文化と、ロシアの文化を比較するのが面白いんです」

 日本文化伝えたい

 ──テレビアニメ『ガールズ&パンツァー』のノンナ役では特技のロシア語を披露してますね。そうしたことができる声優は、おそらくすみれさんだけです。となると、クールジャパンの先兵として、海外での活動も?

 「すでに『文化外交』として、櫻井孝昌さんとロシアやカタールで日本ポップカルチャー紹介イベントを行ったり、共著で、その取り組みの姿勢について本にしたためたりしてきました。今後も、現在あまり交流のない国にこそ日本文化を伝えたいです」

 ──日本文化を海外にひろめる場合も、英語以外の言語が使えるなら、全くレベルの違う展開ができますね。声優と歌手を兼ねていることの面白さがあれば、教えてください

 「声優としてキャラクターソングを歌う場合、キャラクターになって歌うので、感覚が異なって面白いのです」

 かつて過激なロック歌手は多数出てきたけれども、声優のようにいろいろな人格になりきることによってキャラクターを真に使い分ける歌手はいなかった。

 ロシア語という飛び道具も持ち、えたいの知れない思想性も匂わせ妖気さえ感じさせる上坂の前途は、文化の名にふさわしい深さと広がりを持ちそうだ。(アーティスト・作詞家 サエキけんぞう/SANKEI EXPRESS

 ■うえさか・すみれ 声優、タレント、歌手。神奈川県出身、上智大学外国語学部在籍中。8歳のとき、実用英語技能検定の受験の帰宅途中でスカウトされ、ヴィダルサスーンのCMに日本人として初めて出演。2012年、テレビアニメ『パパのいうことを聞きなさい!』でアニメ初レギュラー。13年2月「七つの海よりキミの海」でデビュー。旧ソ連の共産党体制や左翼運動をオマージュした語彙や意匠を多く用いる。Twitterではしばしばロシア語表現を用いている。

 ■さえき・けんぞう アーティスト・作詞家。1980年ハルメンズでデビュー、86年パール兄弟で再デビュー。作詞家として、沢田研二、サディスティック・ミカ・バンド他多数に提供。著書「歯科医のロック」他多数。最新刊は「ロックの闘い1965-1985」(写真、シンコーミュージック)。

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