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映画好きに健康志向のランチ Cafe WASUGAZEN 8月28日公開!
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シックな装いの店内。夜は美味しいグラスワインの提供も考えているという。ロゴなどはグラフィックデザイナーの上杉たきさんが担当した=2014年8月14日、東京都港区(大山実撮影)
≪新作予告編たっぷり 野菜たっぷり≫
働く大人たちのつかの間の休息、ランチタイム。最新映画の予告編を楽しみながら野菜たっぷりのヘルシーな料理でおなかを満たせば、午後も元気いっぱいに働ける-。そんなカフェ「Cafe WASUGAZEN」(東京都港区芝2丁目)が8月28日にグランドオープンする。仕掛けたのは、カフェの目と鼻の先にある映画の予告編制作会社「バカ・ザ・バッカ」の池ノ辺直子社長だ。
地下鉄・都営三田線の芝公園駅から徒歩5分。カフェはオフィス街の一角にある。昼時になると、サラリーマンやOLが続々と姿をみせ、ランチを食べる店の物色を始めた。
「オープンはいつ?」。中年サラリーマンが、開店準備に追われる池ノ辺社長に入り口から声をかけた。店内に設置された3台の大型ディスプレーが映し出す迫力満点の映像に驚き、思わず足を止めたようだ。
映像ディレクターとして長年、予告編制作の第一線で活躍してきた池ノ辺社長のプロデュースだけに、店内は映画への愛情で満ちている。
3つのディスプレーには、心地よい音量で予告編が次々と映し出される。観客動員数ランキングで初登場第1位を飾った「STAND BY ME ドラえもん」や、初登場3位「トランスフォーマー ロストエイジ」といった公開中の作品のほか、「フライト・ゲーム」(9月6日公開)など、近く公開される作品も。
池ノ辺社長によれば、「1時間半いれば、約50種類の予告編を楽しむことができます。月に2回、内容を更新し、新作を盛り込む予定」という。
「人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ」(米映画『ライムライト』のチャールズ・チャプリンのせりふ)
「おいしいクリーミーなチョコレートケーキは多くの人々にたくさんのものをもたらしてくれます」(オードリー・ヘプバーンが息子のために作っていた『小麦粉を使わないチョコレートケーキ』について語った名言)
黄色と青色を基調とした壁には、そんな映画にまつわる英文が。内装は、インテリアデザインの第一人者、稲継恵祐さんが手がけた。
店名の「WASUGAZEN」は、「同じ空間にいるお客さんたちが一緒に楽しい時間を共有できるように」との思いを込めた「和すが善」から付けた。
≪低カロリー、眠くならない≫
料理のコンセプトは「野菜たっぷり、低カロリー、午後に眠くならない」。サラリーマンやOLの健康を第一に考えた。取材の日に、料理コーディネーターを務める若井めぐみさんが、予行練習で作っていたのは「レタスの豚肉巻き」と「サーモンのノンフライ ヨーグルトタルタルソース」。
「レタス~」には、カロリーを意識してバラ肉ではなくロース肉を使い、レタスを巻き込むことでボリューム感を出した。「サーモン~」は、特殊なパン粉を使ってオーブンで焼き、揚げたような仕上がりに。
いずれも主食は、血糖値が上がり眠気をもよおす白米ではなく、玄米や雑穀。「全体的に色彩豊かにしました。玄米は白米の食感のようにモチモチに炊き上げました」と若井さん。
どうしてここまでビジネスパーソンたちの健康を気遣うのか。池ノ辺社長に尋ねると、東日本大震災が一つの契機だったと語ってくれた。
もともと料理好きだった池ノ辺社長は、カレーなどを社員にふるまうこともしばしばで、料理が上手な名物社長としてテレビ番組にも取り上げられるほどだった。震災後、街のスーパーから食材が消えるなか、社内で節電のため、暖房を切って仕事をする部下たちを見て、「体にいいものを食べて仕事を頑張ってほしい」との思いをいっそう強めたという。
そこで、会社のすぐ近くで経営していたコーヒー中心の会員制カフェのリニューアルを思いついた。
「働く人が病気になったら、家族も会社も大変。仕事がしっかりとできる環境づくりのお手伝いをしたい」。こう語る池ノ辺社長は、近い将来、託児所を設けることも考えている。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:大山実/SANKEI EXPRESS)