薄毛治療に期待!幹細胞で毛髪生成 米露研究チーム、今後臨床実験
更新米露の共同研究チームが、あらゆる種類の細胞に分化する能力を持つヒトの「幹細胞」を使って、毛髪を生やすことに成功したと29日までに発表した。その成果は米科学誌プロスワンに掲載された。幹細胞を毛髪を生やす「頭髪毛乳頭細胞」に分化させ、マウスに移植し、ヒトの毛髪の生成を確認した。今後、人体での臨床実験を行っていく計画だ。成功すれば、研究室で無限に培養できる幹細胞を使った画期的な薄毛や抜け毛の治療法になるとの期待が高まっている。
「無限に作り出せる」
研究成果を発表したのは、米カリフォルニア州のサンフォード・バーナム医学研究所と、モスクワのコルソフ発生生物学研究所の共同チーム。プロスワンに掲載された論文に基づき、英紙デーリー・メールなどが伝えた。
ノーベル賞級ともいわれる薄毛の根本的な治療法については、世界中の研究者が昔から熱心に取り組んでいるが、遺伝や男性ホルモンが原因とされ、発見には至っていない。研究者の間では、人体のあらゆる器官に分化する能力を持ち、再生医療に使われる幹細胞の使用が解決策になると注目されてきた。