【木下隆之の試乗スケッチ】アルファロメオ ステルヴィオ 「悪魔の梯子段」が異名のSUV
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イタリアのステルヴィオ峠を走る「ステルヴィオ」
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1世紀を超えるアルファロメオの歴史上、初めてとなるSUVの名を聞いて色めき立った。その名はなんと、「ステルヴィオ」だという。世界の趨勢はSUVに向かっており、いまやSUVを揃えてなければ自動車メーカーにあらずだから、アルファロメオにSUVが加わってもことさら驚きはないのだが、その名が刺激的すぎて腰を抜かしかけたのである。
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◆スポーツカーすら悲鳴上げる難所
「ステルヴィオ」はイタリア北部のステルヴィオ峠に由来する。アルプス山脈にへばりつくように刻まれた峠道であり、スイスとの国境に沿う。標高は2757m。「悪魔の梯子(はしご)段」と恐れられ、世界の走り自慢が踏破を挑むことでも有名なのだ。
僕もこの地に足を運んだ経験がある。その目的はとりもなおさず、世界一過激だと思われる峠道に挑むためだ。太陽の光が強く降り注ぐ、夏の暑い日だった。
麓は避暑地として栄えている。ホテルのプールには水着でくつろぐ家族連れがいた。そんな平和な避暑地に峠道の起点がある。目の前にそびえるアルプス山脈を、一気に登り切るのが醍醐味。頂上付近は肌寒く、夏だというのに残雪があった記憶がある。