国内

「有事に体が動く組織に」原子力規制庁の荻野新長官が会見

 原子力規制庁の長官に9日着任した荻野徹氏(61)が11日、記者会見し、「科学的な審査を厳正に行う一方で、(事故などの)有事でいざとなったら、すぐ体を動かす組織文化を皆で共有できるようにしたい」と抱負を語った。

 警察庁出身。出向して内閣審議官を務めていた平成23年、東京電力福島第1原発事故が発生し、当時の原子力安全・保安院に代わる規制組織の準備室に加わった。議論の末に生まれたのが原子力規制委員会。その事務方トップに今回就く。

 組織の原点は福島第1原発事故だ。「ああいった事故を起こしてはならない。幹部は『3・11』の十字架を背負い、その使命感で走ってきた」と振り返る。事故から8年がたち、「当時高校生だった職員も今はいる。経験と教訓をどう伝えていくか。規制基準も大慌てでやってきたものもあり、全体の体系を整理し、きちんと継承できるようにしたい」と課題を挙げた。

 宇都宮市で育ち、「非常に寒いところで、子供の頃はよく半ズボンで頑張っていた」と笑う。規制庁の職員には「規制は楽しい仕事ではないかもしれないが、楽しく仕事をする職場を作り上げていきたい」。

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