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リブラ規制 早急に策定 G7各国が懸念

 【シャンティイ(フランス)=板東和正】日米欧の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は17日、米交流サイト大手フェイスブック(FB)が発行を計画する暗号資産(仮想通貨)「リブラ」について、規制などの対策を早急に取りまとめる必要があるとの認識で一致した。フランスのルメール経済・財務相が初日の会議終了後の会見で明らかにした。

 会議は18日に閉幕し、議論の内容をまとめた議長総括を出す予定だ。

 ルメール氏は、G7会議に参加した各国がリブラに対して懸念を示したことを明らかにし、「(規制作りなどについて)至急に行動が必要との見解を共有した」と述べた。また、リブラが「(通貨を発行する)国家の主権を脅かすことがあってはならない」と指摘した。

 リブラをめぐっては、G7は6月に各国中銀の専門家による作業部会を設置。今回の会議で作業部会が暫定報告を示し、10月にも最終報告をまとめる方針だ。

 G7会議は17日、IT大手への「デジタル課税」についても議論。ルメール氏は会見で、各国が課税について新たなルールが必要との認識で一致したと述べた。法人税の最低税率を定めるべきとの方向性でも合意したという。

 ただ、フランスで11日に成立したデジタル課税を定める国内法をめぐり、巨大IT企業を抱える米国が課税が不当かどうかの調査を実施しており、着地点はなお不透明だ。デジタル課税は経済協力開発機構(OECD)での国際的議論で2020年までの最終合意を目指す。

 麻生太郎財務相は17日、初日の会議終了後、各国からリブラについて懐疑的な意見が出たと明らかにし「既存の規制が想定していない新たな課題がないか、効果的な検討が必要だ」と語った。またリブラへの対策が後手に回ることがないよう「当局側によるタイムリーな対応が必要だ」と述べた。

 G7会議では、デジタル課税法を成立させたフランスに米国が反発する可能性も指摘されていたが、麻生氏は会議中にフランスが名指しで糾弾される場面はなかったと振り返った。

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