国内

北海道の景気判断引き上げ 日銀さくらリポート 8地域は据え置き

 日本銀行は15日、10月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、北海道で景気の総括判断を前回7月の「緩やかに回復している」から「緩やかに拡大している」に引き上げた。上方修正は半年ぶり。昨年9月の北海道胆振(いぶり)東部地震の復旧工事の増加が寄与した。その他8地域の判断は据え置いたが、企業から海外経済の減速や消費税増税による消費の減退を懸念する声も多く寄せられた。

 個別項目の判断では、公共投資で、昨年9月に台風21号の被害にあった近畿で復旧工事が増加したことを受け、北海道とともに上方修正した。

 生産では、米中貿易摩擦の激化による海外経済の減速により生産用機械などの輸出が減少した中国が下方修正。住宅投資では消費税増税による駆け込み需要が一服したことから北陸、中国が判断を引き下げたものの、四国は上方修正した。

 また、消費税増税の影響が心配された個人消費は全地域が判断を据え置いた。「増税後も抑制的な消費行動が継続する可能性もある」(関東甲信越地域の小売り)と不安の声が上がる一方、「駆け込みの動きが小さく、増税後の反動減は長期化しない」(九州地域の小売り)と楽観的な意見もあり、見方が分かれた。

 日韓関係の悪化から訪日韓国人宿泊客数の減少を懸念する声も複数の企業から上がったが、「全体に占めるウエートがさほど大きくないため今のところ影響は限定的」(北陸地域の宿泊)と冷静な見方もあった。

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