株価・外為

東証、米中に翻弄された1年 「第1段階」合意で12月高騰

 東京株式市場は30日、令和元年最後の取引となる「大納会」を迎えた。日経平均株価の終値は前週末比181円10銭安の2万3656円62銭。前年末に比べて3641円85銭(18.2%)上昇し、年末株価としては1990年以来、29年ぶりの高値を付けた。年間を通じて米中貿易摩擦に振り回されたものの、交渉進展への期待の高まりとともに株価は上向いた。

 年間最安値をつけたのは1月4日の「大発会」。米アップルの業績予想引き下げを発端にした世界同時株安のショックに襲われた。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が7月に利下げに転じると、カネ余りで株価が上昇する「金融相場」が徐々に作られていった。

 12月に入ると、さらに追い風が吹く。FRBが利下げを休止し、米国景気の好調さが確認されたのに続き、米中貿易交渉が「第1段階」の合意に達すると買い注文が膨らみ、17日には2万4066円12銭の年初来高値をつけた。

 30日は薄商いの中で利益確定売りに押された。市場関係者は「休みの間に米国や中国で重要経済指標が発表される。年初のようなクラッシュへの警戒感が出た」と話した。

 大納会の式典には、狂言師の野村萬斎さんがゲストとして登場し、令和元年の取引を締めくくる鐘を5回打ち鳴らした。2020年東京五輪・パラリンピックの開会式・閉会式の演出総合統括を務める野村さんは「大会を折に、地球上がワンチームになる共生社会を目指せるように、五穀豊穣(ほうじょう)を祈りたい」と語った。

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