働き方ラボ

“立候補”して取引先から学べ! 自分を鍛えてくれる「顧客塾」のススメ

常見陽平

 音楽の世界では、このようにバックミュージシャンとして接点を持ちつつ、いわば「依頼主」から学びとるという例がよくある。著名ミュージシャンの下積み歴、セッション歴をみるとなかなか興味深いものだ。

 取引先から学ぶ技術

 ただ、これは音楽の世界だけではない。取引先から学ぶということはビジネスの世界ではよくあることだ。サイバーエージェントの代表取締役社長の藤田晋氏の自伝やインタビューでは、同社が創業して数年の間、技術面で堀江貴文氏に支えてもらったことや、USEN社長だった宇野康秀氏や、村上ファンドの村上世彰氏との関係などが語られる。楽天の代表取締役社長の三木谷浩史氏も、日本興業銀行(当時)時代に、ソフトバンクの孫正義氏と接点を持っていた。これらの接点は、それぞれのキャリア形成に多かれ少なかれ影響を与えていることだろう。

 私は会社とはビジネススクールだと考えている。もちろん、座学の研修なども開催されるがそれだけではない。業務を担当することによって、さらには取引先や社内の上司・同僚から学びとることができるのだ。

 やや自分語りにはなるが、会社員時代、営業を担当していた頃は、短期的には売上につながらなくても、自分のミーハー根性丸出しの、自分の趣味に関する企業に営業に行っていた。実際、売上ではあまり貢献できなかったものの、気になる業界の舞台裏を覗くことができたし、その仕事に対する姿勢や、仕事術から学ぶことができた。

 最も大きな経験といえば、広報担当者として大御所ジャーナリストや、各社のエース記者と向き合ったことだろう。特に、経済ジャーナリスト財部誠一氏や番組スタッフと一緒に、「サンデープロジェクト」(当時)の番組内ドキュメンタリーを作り上げたのは良い経験だった。財部氏からはニュースの捉え方、掘り下げ方、コンセプトづくりなどを学ぶことができたし、番組スタッフからは(ある意味体力勝負ではあるが)取材対象にしつこく向き合い続ける姿勢を学ぶことができた。これは、後に著者になってから大きな意味をもった。

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