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カンボジア、改修経て「日本橋」開通 交通インフラ、日本の支援を活用

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 カンボジアの首都プノンペンのトンレバサック川にかかるチュロイチョンバー(カンボジア・日本友好橋)が3日、約1年半にわたる改修工事を経て開通した。当初の予定よりも3カ月ほど早く、多くの人が移動するカンボジアの正月休暇前に開通することができた。

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 内戦復興の象徴

 通称「日本橋」とも呼ばれるこの橋は、1963年に日本の援助で建設された。しかし、内戦中に爆破されて落橋。92年に日本の対カンボジア援助が再開する際、シアヌーク前国王が「日本橋をまず修復し、復興の象徴にしたい」と強く要望し、日本の無償資金協力による改修が実現した。

 それから25年が過ぎ、日本橋は首都プノンペンと地方を結ぶ交通・物流の要所となった。国際協力機構(JICA)によると、2012年の交通量は04年の約2倍。橋の許容量を3割も上回っていたという。そこで今回、橋を長期にわたり封鎖し、50年以上前から架け替えられていない部分と、全体の道路舗装、塗装を大規模に改修することになった。

 改修工事には、環境に配慮した最新手法が導入された。例えば、塗装は「循環式エコクリーンブラスト工法」といわれるもので、塗装を剥がす際に使う素材を何度も利用することで産業廃棄物を減らすことができる。また、道路を強化するために、カンボジア国内では初めて、鋼繊維を使う舗装工事を実施した。さらに、周辺の小学校や住宅への影響を最小限にするよう、騒音、振動、粉塵(ふんじん)にも配慮をした。

このニュースのフォト

  • 改修工事が終わったカンボジア・日本友好橋=首都プノンペン(木村文撮影)
  • プノンペン都の交通管制センター。都内12カ所に設置されたモニターカメラは車のナンバープレートまで読み取れる(木村文撮影)

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