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【負けるもんか】「相手にされない苦しさ、誰よりも分かる」或るタコ焼き屋の今

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 「君はホームレスと一緒だからねえ」

 移動販売のたこ焼き店を営む清水芳浩さん(45)=愛知県豊川市=は、アパートを借りようと何十軒も不動産屋を回り断られ続けた末、こう言われたことを、今も覚えている。

 「保証人もいないし、移動販売なんて店がないのと一緒でしょ、と。親がいない惨めさを、あれほど感じたことはなかった」

 実家は花卉(かき)の生産業者。自宅は日本家屋で、白壁の蔵もあり「今思えば、とても立派な家だった」。だが小学6年のとき、父が仕事帰りに交通事故で他界。高校3年の春には母親をがんで亡くし、その1カ月前には同居の祖父もこの世を去った。

 「10代で2回も喪主を務めるのはきつい」。気持ちが不安定になり、生活はすさんだ。バイクに乗って悪さをし、警察の厄介になったこともある。建設現場や解体業など、短期間で職を転々とした。長く続いたのは風俗関係の仕事。何かとよくしてくれた職場の上司は暴力団関係者だった。「家庭環境に恵まれない人がたくさんいて、親身になって相談に乗ってくれた」

 そんなとき、7歳年下の弟がバイク事故を起こした。生死の境をさまよう重傷。弟は自分の影響でバイクに乗り出し、親族の一人からは「(心配をかけて)母親を殺し、今度は弟も殺すのか」と怒鳴られた。

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  • 「ひろ君のたこ焼き屋」のキッチンカー

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