働き方

障害者雇用、新たなひずみ 省庁が大量採用、民間企業の離職率増加

 前代未聞の障害者雇用水増しを受けて再発防止策が法制化された。政府は法定雇用率の達成に向け大量採用を急いでおり、中央省庁で新たな一歩を踏み出した人もいる。しかし、早期離職や民間企業の雇用圧迫という新たなひずみも生じており、障害者雇用の課題はなお多い。働き続けるためには、活躍できる職場づくりなどの取り組みが鍵となる。

 期待の人材取られる

 「慣れない仕事もあるが、上司の指導を受けながら責任を持って取り組んでいる。やりがいがある。ここで働けて良かった」

 春から中央省庁に勤務する40代の視覚障害の男性は、時々残業もこなしながら充実した生活を送っている。

 勤めていた民間企業を事情があって辞めた後、新たな障害者限定の国家公務員試験があると知り、挑戦を決意。市販の教材で受験に備えたが、見えづらくて苦労した。だが「水増しには腹が立った。障害者の働く環境を整えたい」との思いで猛勉強した。

 男性は希望した省庁に合格し、今は文書や資料の作成業務を担う。職場は、文字が見えやすいよう拡大読書器を用意するなど必要な配慮もしてくれており「満足している」と笑みを浮かべた。

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