ワークスタイル最前線

経験生かしてシニア起業 自治体融資やネット活用

 経験や知識を生かしながら、自由で豊かな第2の人生を過ごそうと起業するシニアが増えている。自治体の融資制度やインターネットなど費用を抑える手段も充実し、挑戦を後押ししている。

 カフェレストラン

 「定年後をつまらなく過ごすよりやってみたい気持ちが湧いてきた」。東京都立川市の若葉町団地でカフェレストラン「てくたく」を営む佐藤義明さん(65)は起業を決めた気持ちをそう振り返る。家庭的な料理と穏やかな笑顔が地元の高齢者や大学生に愛され、店は今月、開業丸7年を迎えた。

 元は東京・上野精養軒で12年間腕を磨いた料理人。一獲千金を夢見た養殖事業に失敗し、ファミリーレストランの店長などをした。団地の高齢者が交流できる場をつくろうと月1回の食事会を企画。500円のワンコイン定食を提供すると評判になった。「いつでも食べられる場所をつくりたい」と57歳で起業した。

 開業には、立川市が55歳以上に設けた融資制度を利用した。金利の半分以上を市が補助する。「手持ちの資金はなかったので、制度がなければできなかった」と話す。

 出身地の新潟県魚沼市から取り寄せたコシヒカリと立川産の野菜を使い、定食やおつまみを数多くそろえた。一番人気は煮物や自家製チャーシューなど6品のおばんざい定食だ。「70歳までは続けたい」と夢は広がる。

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