ビジネスパーソン大航海時代

商社を経てスタートアップをハンズオン支援する起業家へ~航海(11)

小原聖誉
小原聖誉

 「この仕事は天職なんです。商社やその後に取締役として働いたユニラボ(受発注業者比較サイト「アイミツ」の運営企業)というスタートアップでの経験がそのまま活きていますからね」

 どういうことでしょうか。

 「商社はモノを持たず右から左に流す仕事と捉えると価値は乏しく感じますよね。しかし、商社の真骨頂は“トラブルが起こったときになんとかする係”だと考えています。

 例えば私はレアメタルの輸入に携わっていましたが、予定していたコンテナ船がスケジュール通りに港に到着しないということもあります。お客さんの在庫が切れそうなリスクが発生したときにどう対処するか。船会社と連携して積み下ろしの業務をスピードアップさせるのはもちろんですが、自社の他拠点の在庫を融通させるなど、あらゆる手段を使ってトラブルに対処します。未経験から創業期のスタートアップに飛び込んだあとにも、この商社マン時代に培った“なんとかする力”に助けられました」

 これは迫真性が感じられます。ではそのあとの取締役の経験はどう活きるのでしょうか。

 「社会人5年目の頃に創業期のユニラボというスタートアップに飛び込みました。ITは素人でしたが、入社後に取り組んでいたのは、とにかくリーダーの意思を言語化し、実行可能なプランに落とし込むこと。商社時代の “なんとかする力” に助けられ、未経験ながら事業開発、採用、経営管理など様々な課題に取り組みました。結果、1年半で単月黒字化、3年で通期黒字を実現させ、取締役も経験させてもらいました」

 なるほど、経営者の狙いを噛み砕いて社員を巻き込んでいらっしゃったということですね。

 「はい。つまり、いまの仕事と同じなんです。あえて違いを挙げるなら、今はより幅広い会社にこの価値を提供しているということです。そして、手がけてみてわかったのは、『外部から関わった方が、かえって役に立てることも多い』ということ。経営陣でも担当者でもなく、ニュートラルな立場だからこそ気づけること・言えることもあります」

 お仕事の内容や価値が見えてきました。

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