ビジネスの裏側

「社内バー」効能は…壁一面に100本もの酒 「飲み会」に再評価の動き

 会社の上司や同僚と仕事終わりに酒を酌み交わす「飲みにケーション」。働き方改革が進み、仕事とプライベートの時間をきっちり分ける人が増える現代に、飲み会を再評価する動きが出てきた。創業期の社員の一体感を高めるためにベンチャー企業が積極的に飲み会を推奨したり、世代や部署を超えて情報共有する機会としてとらえたりする企業もある。令和スタイルの飲み方を追った。

 チャット時代、会話乏しく

 「何か困ってることとかないの?」

 ITベンチャー「クローバーラボ」の大阪市北区の本社にある一室。壁一面に日本酒や焼酎、ウイスキーなどさまざまな酒瓶が100本近く並び、冷蔵庫にはソフトドリンクもストックされている。昼はミーティングに使われる一室だが午後7時になるとアルコールが解禁され、社内バーとなり、社員がふらり立ち寄り酒やお茶を片手に話に花を咲かせる。

 同社の社員の平均年齢は29歳。普段上司になかなか話しかけづらいという若い社員も多いという。

 「社内バーで、お酒の力も借りながら仕事の悩みを聞き出したりしています。そうすると会社の風通しがよくなって、仕事も効率化する気がします」とプロデューサーの川本浩三さんは話す。

 平成21年創業の同社はゲーム製作や、ブランド腕時計のレンタルサービスなどインターネットを使った幅広い事業を行う。社内でのやりとりはメールやチャットで済ませることも多く、社員の中には「結局1日誰とも話さなかった」という人も少なくない。

 バーの設置を決めた小山力也社長は創業間もないベンチャー企業にこそ人と人のつながり、一体感が必要だと考える。「社内バーによって社員同士がコミュニケーションを取りやすくなり、さらには取引先の人も興味を持ってくれて、縁が深まるきっかけになる」

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