社会・その他

台風10号、帰省ラッシュに直撃も…「災害時は止まる」計画運休の認識広まる

 台風10号に伴い、JR西日本が15日に実施した「計画運休」。台風が上陸する前日の14日には早々に山陽新幹線の運休が予告され、多くの人が休暇中の計画変更を余儀なくされた。ただ、昨年もJR西は大型台風が上陸した際に計画運休を行った実績があり、乗客らの間には「災害時は運休する」という認識が共有されつつあるようだ。

 台風10号が接近した15日午後、JR新大阪駅では東京方面に向かう東海道新幹線の券売機の前で帰省客らが列を作った。名古屋市の自営業、斉藤諒さん(28)は「台風の影響を受ける前に関西を脱出したいのはみんな一緒。なんとか帰路につきたい」と話した。

 JR西は山陽新幹線新大阪-小倉間を終日運休に。これを受け、JR東海が東海道新幹線で山陽新幹線との直通をとりやめ、東京-新大阪間で本数を減らして運転するなど、影響は多方面にわたった。

 ただ、JR西は13日に「運休の可能性がある」と予告した上で、前日の14日に計画運休を発表。余裕をもって知らせたこともあり、計画の変更に対応できた乗客も多かったようだ。広島市西区の男性会社員は15日に横浜に向かう予定だったが、「運休を早めに知ることができ、予定を1日早めた」と語る。

 計画運休は、JR西が平成26年10月の台風19号の際に初めて京阪神エリアの全線で実施。昨年9月には台風の影響で山陽新幹線は2度、計画運休した。こうした経験を踏まえてか、15日朝から目立った混乱はみられず、JR西の担当者は「計画運休に対する認知が広まったようだ」と話す。

 一方で、依然として周知には難しさもある。新大阪駅では運行状況を駅員に問い合わせる外国人利用客の姿も。近畿エリアの一部在来線でも計画運休が行われたが、大阪駅でも運休を知らずに立ち往生する人も見られた。神戸市中央区に帰省途中の男性(42)は「利用する予定だった東海道線が運休になり、仕方がないので他の在来線を利用して帰ります」と困惑した様子だった。

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