東京商工リサーチ特別レポート

「ジーンズ」不振が大手量販店を直撃 店舗数が減少、脱定番の動きも

東京商工リサーチ
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 「JEANS MATE」を展開するジーンズメイト(東証1部)も、2012年2月期の117店から2019年3月期には76店へ減った。売上高は2012年2月期の115億3300万円から2019年3月期には85億7900万円まで減少した。

 ジーンズ以外の商品に商機

 有名人が広告塔に起用されたジーンズは、かつては憧れの対象だった。しかし、昨今はジーンズ量販店ですら、主力商品の座から追われている。商品にはライフサイクルがあり、消費者に飽きられないよう常に「新鮮さ」と改善が求められる。普遍の存在と思われてきたジーンズも栄枯盛衰からは逃れられない。もはや例外や定番など存在しない。

 そうした中、ジーンズメイトが脱ジーンズ戦略に舵を切った。ジーンズメイトは、若い世代をターゲットにターミナル駅周辺やファッションビルへの出店を加速。こうした店舗にジーンズは「ほぼない」(同社担当者)。若者の“ジーンズ離れ”に前向きに取り組んだ結果が、「ジーンズを置かない」決断だった。

 「ジーンズメイト」でジーンズの消える店舗が増殖中

 7月下旬、東京商工リサーチはジーンズメイトの新業態店舗「JEM」の渋谷店を取材した。売場の9割強を“ジーンズ以外の商品”が占め、主力はアスレチックとレジャーを掛け合わせた機能性の高い「アスレジャー」ファッション。かつての看板アイテムだったジーンズブランドのEDWINやLevi’sのデニムパンツは2階の一角に数種類並ぶだけ。しかも、デニムコーナーのいち押しは、EDWINの通気性の高いメッシュ仕様のカラーパンツで、従来の“ジーンズ”とは趣きが異なる。

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