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リクナビ問題が大炎上した真相 “利用者不在”の人材ビジネスに潜む「構造的歪み」とは

 リクルートキャリア(東京・千代田)が、就活支援サイト「リクナビ」で得た大学生の個人情報を元に、個人の「内定辞退率」を予測して企業に販売していた問題が炎上している。

 問題となったのは、同社が顧客企業にこの「辞退率」の予測データを提供していたサービス「リクナビDMPフォロー」だ。データを提供するに当たり、同社はプライバシーポリシーの不備で学生約8000人に同意が取れていなかったことが発覚したと発表。個人情報保護法に違反している恐れが強く、同社は5日、同サービスの廃止を表明した。個人情報保護委員会からも既に問題を指摘されている。

 SNSなどでは、内定辞退率という学生の就活に大きく関わるデータを、リクルートキャリアが企業に販売していた点に非難が集中している。同社側は「情報は合否の判定に活用しないと同意した企業にのみ提供してきた」と説明している。しかし、「学生は商売道具じゃない」「自分から戦争を起こして武器を売るようなやり方」など、Twitterを中心に反発は強まるばかり。本問題の焦点に迫った。

 ユーザーの学生に適切な情報を示せていたか

 別の新卒向けサービスを手掛ける企業の担当者は「(リクルートキャリアの)内定辞退率を予測するサービスは、確かに技術的には可能だと思うが、『そこまでやるのか』と驚いた」と打ち明ける。「シェア1位で膨大なデータを持つ企業だからこそできることだが、意外だった。人材業界への影響は小さくないだろう」とみる。

 専門家からも、リクルートキャリア側の不備を強く指摘する声が上がっている。内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室などを歴任して個人情報関係の法改正に携わった経験のある、三浦法律事務所の日置巴美弁護士は「学生に適切な情報を提供していなかった点が炎上につながった」とみる。

 日置弁護士によると、今回の問題は大きく2点ある。まず学生の個人情報を第三者(リクルートキャリアの顧客企業)に提供するに当たり、プライバシーポリシーの不備から約8000人分は明らかに学生側の同意を得られていなかったという点だ。同社のリリースによると、3月のポリシー変更時に表記漏れや、同意取得の流れでの不備が発生していたのが原因という。

 加えて今回の問題に世論の感情的な反発が高まった理由として日置弁護士が指摘するのは、上記の約8000人に限らず、そもそも「内定辞退率の予測データを企業に販売している」という点について、リクルートキャリアがユーザーの学生全体に適切な情報を事前に示せていたか、というポイントだ。

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