社会・その他

「ハイパーカミオカンデ」建設へ 素粒子ニュートリノ観測装置

 文部科学省は21日、素粒子ニュートリノを捉えて宇宙誕生の謎の解明を目指す次世代観測装置「ハイパーカミオカンデ」を岐阜県飛騨市神岡町に建設する方針を固めた。来年度予算の概算要求に事業費を盛り込み、2026年度末までの完成を目指す。

 ハイパーカミオカンデは小柴昌俊・東京大特別栄誉教授、梶田隆章・東大宇宙線研究所所長の2度のノーベル賞受賞につながる成果を挙げた「カミオカンデ」「スーパーカミオカンデ」の後継装置で、3度目のノーベル賞が期待されている。

 675億円に及ぶ巨額の建設費が課題とされたが、工法の見直しなどで数十億円を削減できる見通しとなったことから、文科省はノーベル賞級の成果を狙うための費用としては適切と判断した。

 地下に深さ約70メートル、直径約70メートルの巨大な水槽を建設し、20年間にわたりニュートリノを観測。「CP対称性の破れ」と呼ばれる物理現象がニュートリノでも起きることを突き止め、宇宙や物質の誕生の謎を解明する計画だ。

 また、水槽に満たされた大量の水も観測対象で、水分子に含まれる原子核を構成する陽子が、ごくまれに崩壊する「陽子崩壊」の世界初検出も目指す。

 ニュートリノ研究は日本のお家芸とされてきたが、ライバルの米国チームは既に17年夏から次世代装置の建設を始めており、このままでは先を越されかねない。このため国内の研究者から早期建設を求める声が上がっていた。

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