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「サバティカル休暇」制度導入増 学び直し、仕事のヒントも

 長期間勤めた人に使い道が自由な休みをまとめて取らせる「サバティカル休暇」の制度を導入する企業が増えている。働き手にはリフレッシュにとどまらず、学び直しや仕事のヒントを得る機会として好評だ。休暇中の活動資金を支給する企業も。仕事の見直しや休みやすい雰囲気づくりなどの効果も生んでいる。

 「新たな気持ちで仕事に取り組めるようになった」。IT企業のリクルートテクノロジーズの加藤麻子さん(32)は、勤続3年ごとに付与される休暇を昨年10月に利用。支給された休暇手当30万円を使い、地中海のマルタに1カ月間留学した。

 休暇前に自作の管理表で業務を整理し、不在中に任せる内容と相手を明確にした。「やらない言い訳を探すのではなく、どうしたら実現できるかを考えるくせがついた」と感じている。

 同社によると、今年の取得率は7割近くに上る。世界一周旅行に行く社員もいれば、妻の出産に合わせたり子供の慣らし保育や夏休みに充てたりするケースも。「採用時のPRにもつながっている」(広報)という。

 「サバティカル」は旧約聖書の「安息日」が由来の言葉。欧州で導入例が多く、日本では経済産業省が昨年、リカレント教育(学び直し)を普及させる手法として企業に呼び掛け、注目された。

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