社長を目指す方程式

デキる上司は「WILL・CAN・MUST」を駆使して最強チームを作る

井上和幸
井上和幸

 「MUST」については「整理する・伝える」

 最後に「なすべきこと(MUST)」。これはシンプルに、やって欲しいことを整理し、当人に伝える。どの上司も、どの職場、企業でも当たり前のようにやっていること(なはず)です。

 で、今回のメインイベントとしては、WILLとCANをMUSTと接合させることこそが、この三つの輪の要諦な訳です。上司のあなたの、組織リーダーとしてのもっともやりがいある面白いところこそ、ここにあると私は思っています。

 メンバーたちそれぞれのWILLとCANをMUSTに接合させにいく。そのために組織・チーム全体を俯瞰してみてリソース・アロケーションを試みる、適所適材を図る。このパズルゲームを常に目配せし、やりくり試行錯誤し、成果が出るチームをなんとか構築する。組織リーダーの仕事とは、最適(最強)チーム編成ゲームだと言えると思います。一度編成し完成をみたらそれで完了、とはならないのがまたミソです。常にモニタリングしつつチューニングし続ける、終わりなきゲームでもあります。

 これをなんとか巧く成り立たせるためには、個々のメンバーのWILL・CANの把握と共に、組織・チーム全体のMUST=ミッションやビジョンの明確化、共有浸透が鍵を握っています。言い方を変えれば、MUSTの意味づけ・価値づけですね。組織リーダーである皆さんに問われるのは、我が組織・チームでなすべきことの意味づけ・価値づけ力なのです。

 ちなみに2019.5.13掲載回の「偉大な企業を創った経営者たちが絶対に妥協しない『3つの円』とは」でご紹介しましたが、『ビジョナリー・カンパニー』では個人→企業への適用で、「WILL」=「情熱をもって取り組めるもの」、「CAN」=「自分が世界一になれる部分」、「MUST」=「経済的原動力になるもの」としています。「三つの輪」は個人のマネジメントとしても、企業・組織のマネジメントとしても、社長を目指す上司の皆さんが使えるフレームです。ぜひ実践活用してみてください。

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井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
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【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら

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