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「屍人荘の殺人」主演の浜辺美波さんが魅力語る 「私史上いちばん大変な撮影」

 国内のミステリー賞を総なめにした話題の小説「屍人荘(しじんそう)の殺人」が早くも映画になった。密室殺人事件の謎を解くヒロイン、剣崎比留子(けんざき・ひるこ)を演じるのは、映画にひっぱりだこの女優、浜辺美波(19)。「最後までハラハラします」と映画の魅力を笑顔で語る。(石井健)

 読書家だ。作家、今村昌弘(33)が平成29年に刊行した原作もいち早く読んだ。面白くて母親にもすすめた。本好きの母娘は、普段から本の貸し借りをしている。「結構、怖い」と母。娘は「それはそれで好き」。そして、映像化されるなら比留子は自分が演じたいと願った。

 「ほかの方が比留子ちゃんを演じていたら、すごく悔しかったでしょう」。念願かなった比留子役だ。

 もっとも、撮影現場では苦労もした。

 監督は、ドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」など独特でユーモラスな演出が身上の木村ひさし(52)。比留子のキャラクターにも木村特有の味付けが多く、「監督の比留子像を理解しきれていなかったかも…」と反省も残す。

 セリフの数も多かった。冬の寒さの中、撮影が長時間に及ぶこともたびたびあった。縄ばしごを上ったりやりを振り回したりと、体力も求められた。

 「“私史上”いちばん大変な撮影」と振り返るが、「この作品に出られたことは、今年いちばんの出来事。小説とは異なるラストシーンは衝撃的で、私は泣けました」と胸を張る。

 映画は、この後も2本の新作が控えている。テレビドラマにも意欲的だ。

 「女優の仕事が楽しいです!」とニッコリ笑っていう。

 13日から全国公開。

 はまべ・みなみ 平成12年8月生まれ。石川県出身。23年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞。映画「アリと恋文」で女優デビュー。「君の膵臓をたべたい」(29年)で日本アカデミー賞新人俳優賞。映画は「映画 賭ケグルイ」(31年)「アルキメデスの大戦」(令和元年)など多数出演。

 屍人荘の殺人 神紅大学ミステリー愛好会の葉村譲(神木隆之介)と明智恭介(中村倫也=ともや)は、謎の女子大生探偵、剣崎比留子(浜辺)に誘われ、ロックフェス研究会の合宿に参加する。3人と部員は想像を絶する異常事態に巻き込まれ、合宿先のペンション「紫湛荘(しじんそう)」に籠城する格好に。そんな中、ペンションで密室殺人事件が発生する。

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