社長を目指す方程式

新年度の転機を乗り越える「4つのS」 環境変化に負けない行動とは

井上和幸
井上和幸

 《今回の社長を目指す法則・方程式:ナンシィ・シュロスバーグ「転機を乗り越えるための4つのS」》

 こんにちは、経営者JPの井上です。4月の新年度が間近に迫ってまいりましたね。年度の節目に当たって、自ら転職などで新しいチャレンジを始められる方もいらっしゃれば、青天の霹靂の人事異動内示を受けた方もいらっしゃるかもしれません。様々な転機が訪れるこの時期、上司の皆さんはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか? 今回は、人生の転機とその転機の乗り越え方についての理論をご紹介します。

 私たちが人生の中で遭遇する転機の3つの種類

 私たちはライフイベントにおいて様々な転機に遭遇します。就職、異動、転勤、昇進、退職、転職、失業、独立、定年…。もちろん仕事のことのみならず、引っ越し、結婚、子供の誕生、離婚、自分の病気、家族の病気等々。こうした転機は当然のことながら、私たちのキャリアに大きな影響を及ぼします。

 自分の役割や人間関係、日常生活、環境、あるいは考え方そのものを変えてしまうような、人生途上のある出来事を「トランジション」と呼び、その出来事自体に着目、その対処を研究してきた心理学者にナンシィ・シュロスバーグ女史(1929-)がいます。シュロスバーグはコロンビア大学名誉教授でカウンセリング心理学の研究と教鞭をとり、TransitionWorksというコンサルティンググループの代表も務める人で、「人生の転機についての研究」で心理学会内での大家(たいか)と言われています。

 シュロスバーグは、人生の中で遭遇する転機を3つに分類しています。「予測していた転機(anticipated transitions)」「予測していなかった転機(unanticipated transitions)」「期待していたものが起こらなかった転機(non-event transitions)」です。

 なるほど、まさに自分で活動して実現した転職などは「予測していた転機」ですし、逆に突然社長や上司に呼び出され告げられた転勤辞令などは「予測していなかった転機」ですね。今回は昇進があるぞと期待していたら、内示がなかった…は「期待していたものが起こらなかった転機」でしょう。

 さて、皆さんがいま遭遇している転機はありますか? 直面しているとしたら、どのパターンでしょう?

 転機には3つのフェーズがある

 シュロスバーグは転機を3つのフェーズ、「転機の始まり」「転機の最中」「転機の終わり」に分けています。

 「転機の始まり」では、転職先や異動先などで新しい場での人間関係や規則、暗黙の規範を受け入れ、自分に馴染ませるために多くの時間を費やす必要があります。

 「転機の最中」では、こうした努力とそれまでの延長にある仕事の仕方や生活パターンとのバランスをどう取っていくのか。その取り組みについて、職場の人間関係や家族との関係がサポーティブな環境にあるのか、あるいはなかなか支援を得られない逆境にいるのか。また、自分はその転機の渦中をどう捉え、感じているのかをしっかり自覚することが大事。

 「転機の終わり」は、一連の転機が終わり次に何が来るのかを問いかけ始めるときだとシュロスバーグは言います。

 そもそも転機には一回性の終わりがあるわけではなく、一つの転機がまた、新たな転機を生み出していく。転機のプロセスは永続的に続くものであり、それぞれの転機は次第に日常の仕事や生活に統合されていくのです。

 私なりにシュロスバーグの転機へのアプローチを解釈しますと、とかく転機にあるときに人は比較的大きなストレスを抱えますが、そのストレス(概ねはこれまでと異なる環境や価値観、考え、行動といった変化からもたらされる)への適切な対処が、転機を乗り越え、次のステージの自分へと導いてくれるのだということだと思います。

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