社会・その他

違反歴ある75歳以上に運転試験 道交法改正案閣議決定、あおり厳罰化

 一定の違反歴がある75歳以上の高齢者に義務付ける免許更新時の「運転技能検査」(実車試験)の創設などを盛り込んだ道路交通法の改正案が3日、閣議決定された。衝突被害軽減ブレーキなどを備える安全運転サポート車(サポカー)が条件の限定免許も新設。「あおり運転」も、10項目にわたる具体的な違反行為を示し、懲役刑を含む罰則を設けた。

 改正案は、今国会に提出され、成立すれば高齢者対策が公布から約2年以内、あおり運転対策が約20日後をめどに、それぞれ施行される。

 改正案では、一定の違反歴がある75歳以上を対象に運転技能検査を創設し、免許更新時に受検を義務付けた。違反項目は信号無視やスピード違反を検討しており、施行までに絞り込む。技能検査に不合格なら免許は更新されないが、免許更新期間中には繰り返し受検を可能とした。

 違反歴のない75歳以上と70~74歳には、免許更新時の高齢者講習で、「実車指導」を実施。運転技能を評価し、本人に伝えることで安全意識の向上を図る。

 一方、車が生活の足となっている場合もあり、「第三の選択肢」としてサポカー限定免許を新設した。サポカーはペダル踏み間違え時の急加速防止装置など先進安全技術を搭載した車の総称で、限定免許の対象車種は今後の技術の実用化を踏まえて決定する。

 一方、あおり運転は、これまで道交法上で明確な定義がなく、警察は道交法上の車間距離保持義務違反などを適用してきた。改正案では、あおり運転を「通行妨害目的で、一定の違反行為で交通の危険を生じさせる恐れのあるもの」と規定。急ブレーキや車間距離不保持など10項目の違反行為を明示し、違反者には3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。

 高速道路上で相手車両を停止させるなど著しく危険な行為は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金とした。宅配や観光需要の増加による運転手不足を手当てするため、大型免許や第2種免許の年齢や運転歴の受験資格も緩和する。

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