CAのここだけの話

機内に漂う緊張感 香港でCAとして働く中で感じること

上杉梨菜
上杉梨菜

 SankeiBiz読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第88回は香港の航空会社で乗務5年目の上杉梨菜がお送りいたします

 皆さま、こんにちは。今回は、コロナ以前と比べて航空会社がどのように変わったのか、コロナ禍のいま、香港の航空会社で客室乗務員として働く中で感じた事、以前と変化したことなどをご紹介したいと思います。

水際対策に厳格な香港

 私が働く航空会社は、アジア、太平洋地域、ヨーロッパ、北米、中東、アフリカの約35カ国、90を超える都市へフライトを運航しています。コロナ以前は通常時1日当たり約10万人近いお客様にご利用いただいており、私自身も、毎月様々な国へフライトをし、乗務員として楽しく働かせて頂いていました。

 しかしながら、現在は多くの国で厳しい入国制限が設けられ、以前のように自由に海外を飛びまわる事が難しい状況です。

 私の会社がある香港でも、現在香港へ入境できるのは一部の例外を除き香港居民のみ。入国後はGPS付きのリストバンドをつけなければならず、14日間の自宅待機も義務付けられています。この措置を守らなかったり、健康申告書の虚偽申請をした場合は、最高2.5万香港ドル(約35万円)の罰金、及び禁錮6カ月の罰則が課せられる可能性があります。

 このような状況なので、香港からのお客様や、香港へいらっしゃるお客様の数が大幅に減少し、以前はほぼ満席だったフライトも最近では通常の2~3割程のお客様しかいないという時もあります。私が前回乗務した便では、300名近く乗る機体にもかかわらず、ビジネスクラス、エコノミークラス合わせ10数名のお客様しかご搭乗されていませんでした。

 以前は全便で1日10万名近くだったお客様の数も、最近では1日あたり900名程度まで激減しているそうです。

フライトゼロは前代未聞の出来事

 香港では1月の後半あたりから新型コロナウイルス感染者が増え深刻になり始めました。その頃から、「飛行機をご利用いただいているお客様の中から感染者が出た」という知らせが増え、飛行機という密室空間で働かなければいけない私たちは不安を抱えながら仕事に向かっていました。

 私がこの記事を書いている9月中旬現在、私の働く会社では約90%程の便がいまだに運休状態です。日本線に関しても、以前は成田、羽田、大阪、名古屋、千歳にほとんどの路線がデイリーで就航していましたが、日本線は現在、成田のみです。香港は6月に入り、トランジットを再開し、今後一部都市の運航も少しずつ増便予定ですが、コロナ以前の状態に戻るにはまだしばらく時間がかかるでしょう。

 私たち客室乗務員のフライトスケジュールにも当然のことながら影響があり、ほぼ毎日のように飛んでいたフライトも最近では月にゼロといったときもあります。私は現在の会社で客室乗務員として働き始め5年目となりますが、フライトがゼロになるというのは前代未聞の出来事でした。

機内に漂う緊張感

 実際のフライトでも、サービス内容など、コロナ以前と比べて様々な変化がありました。私の会社では乗務の際、客室乗務員は必ずマスク、ゴム手袋をつけてサービスを行わなければなりません。

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