時代の人日本を面白くする企業

高橋秀幸氏

株式会社秀實社 社長
高橋秀幸氏 インタビュー(前編)

 知名度の高い大学を卒業して社会人になっても、期待に応えられないまま一生を終える人が少なくない。この現実を打破しなければ、本人にとっても、社会にとっても大きな損失だ。そんな強い使命感で、大学生を対象に仕事に対する志を育てる「次代人財養成塾 One-Will」(ワン・ウィル)を設立したのが、秀實社の高橋秀幸社長である。現在、大手企業の幹部養成研修事業でも高い評価を得るなど、人財育成事業に幅広く活躍し、情熱を注いでいる。背景には、運命の出会いをきっかけに人生を開拓した経験と、その経験から得た学びを社会に還元したいという強い思いがあった。(前編)

(2014年6月取材)


高橋秀幸

「清掃スタッフ」から始まった自分のキャリア

―「One-Will」(ワン・ウィル)では、成果が出ていると聞きます

 おかげさまで、入塾した学生の多くが自分自身の変化を実感しているようです。我々から見ても、入塾時と修了時では明らかに目の色が違いますし、修了した学生からは難関といわれる大手企業の内定を獲得したという報告も届いています。「明確な目標を持つ」「未来は自分で創るもの」など、大学では学べないことを身につけられたことが理由であろうと確信し、これらの成果を喜んでいます。それでもまだスタートしたばかりなので、これからさらに成果をあげなればいけません。

―ご自身も19歳のときに、「30歳までに社長になる」という目標を掲げたと聞きました

 千葉市の自宅近くにできた美容院のオーナーとの出会いが目標を設定する最初のきっかけです。オーナーは当時、私よりひと回り年上の31歳。外見、着こなし、仕草、言葉遣いなど洗練された佇まいで、店のわきにはいつも高級車が停めてありました。私の周りにいた大人とはまったく違う、まぶしいほどの魅力を持っていました。彼の魅力を感じていたのは私だけではなくて、30代の夫婦も、80歳以上のご年配の方まで、年齢、性別、職業を問わず500人ほどのお客様が彼を頼っていました。全員が彼のファンでした。そんな彼に憧れ「彼と同じ努力をすれば、同じステージに立てる」と思い、それを行動に移しました。それが社長になる、という宣言です。オーナーからも「君も社長になれる」という激励の言葉を都度もらいながら、目標達成に向けて歩み出しました。

 彼は多店舗展開をしません。サービスの質にトコトンこだわるガンコ親父のような方です。今でも3週間に1度、彼の美容院に行きます。実のところ、ほめてもらったことは、あまりない。私には兄のような存在です。

―社長になると宣言をした後に大学を卒業し、ファッション業界向けの大手派遣会社に入社して、東京・原宿の外資系の高級化粧品の専門店で勤務します

 勤務先は世界最大の一流ブランドのグループ企業でした。勤務が決まったときは、「これで一流企業の社員だ」と希望で胸を膨らませました。しかし実際に託された業務は「ビューティーキーパー・アンド・セキュリティー」、つまり「清掃と警備」です。きらびやかな仕事を勝手に空想していた私は、理想と現実のギャップに衝撃を受けました。

 今思えば、当たり前の話です。なにしろ化粧品業界での就業経験はなく、メークアップ・アーティストとしての技術や知識もありませんでしたから。しかし、当時は複雑な気持でした。学生時代の友人に「職場に遊びに行くよ」と言われても、正直なところ来てほしくなかった。「辞めよう」とさえ思いましたが、実際には辞めませんでした。社長になると宣言した以上、この程度のことは乗り越えないといけない、と思い直したのです。

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