大丸有スタートアップ・レポート

イノベーションで日本を再興 大丸有にスタートアップが集まるわけ (1/3ページ)

万象寛子
万象寛子

 「グローバル都市・東京」随一のビジネス地区である大手町・丸の内・有楽町エリア。頭文字を取り「大丸有エリア」と呼ばれる。江戸時代、大名や旗本の武家地だったこの一帯に、近代日本の幕開けとともに日本初のオフィス街の整備が始まってから130年が経ち、今では世界有数のビジネス街へと変貌を遂げた。4300事業所、就業者28万人が集うこのまちには今、スタートアップが続々と集結している。本連載では大丸有エリアのスタートアップ企業を紹介する。第1回は「大丸有にスタートアップが集まるわけ」。

 4300事業所・28万人が集積する大丸有

 東京駅前と皇居の間に位置する大丸有エリア。東京ドーム26個分・約123haに101棟のビルがそびえ、約4300の事業所が入居している。上場企業約107社が本社を置き、その売上高の合計は約122兆円。商社や銀行はじめ、重厚長大産業のほか、ITや人材派遣、プロフェッショナルファームなどあらゆる業種が顔を揃える。就業者数は28万人。かつてはビジネスオンリーのまちだったが、近ごろでは話題のカフェや深夜営業の飲食店、セレクトショップといった商業店舗のほか、ホテル、美術館などもある多機能なまちに変貌を遂げた。季節ごとの多彩なイベントが開催され、就業者だけでなく、まちの外からの来訪者で通りが埋めつくされる光景もしばしばみられるようになった。このまちに、今、続々と集まっているのが「イノベーションを興して再び新しい日本、世界の未来を創ろう」と意気に燃えるスタートアップ企業だ。

 企業・人材の集積を生かしたイノベーションエコシスエム

 なぜ大丸有にスタートアップ企業が集まるのか。その最大の理由に、「企業・人材の集積」と、集積を生かした「オープンイノベーション」と「エコシステム」の仕組みづくりが、まちづくりの一環として続けられてきたことが挙げられる。

 オープンイノベーションとは、企業、大学、研究施設、個人などが、互いのアイデアやサービス、ノウハウ、データなどのリソースを掛け合わせて革新的な技術やサービスの創出を目指すもの。また、エコシステムとは、スタートアップの成長に必要な投資家や研究機関、アカデミア、弁護士・会計士のほか、スタートアップとの協業・共創を求める大企業、開発したサービスプロダクトの利用者・購入者など含めた環境を生態系(ecosystem)になぞらえて呼んでいるものだ。

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