Fromモーニングピッチ

個性派AIベンチャーが続々 アフターコロナの知的創造活動を変える (2/2ページ)

磯部尚志
磯部尚志

 AIが価格交渉も

 言語解析の分野は感情分析にとどまりません。AI自らが営業先との交渉をチャットで行い、価格や納期の交渉を行って、お互いのWIN-WINにつながるような関係を作り出すAIも今後登場してくるでしょう。

 大企業とベンチャーの協業事例も相次いでいます。東大発ベンチャーのDeepX(東京都文京区)はショベルカーの無人自動運転分野でフジタと提携しています。画像解析を使ってショベルカーの姿勢や制御の方法をAIで認識し学習させることで、遠隔操作によって操作レバーを作動させる技術を実用化。オペレーター不足の問題に貢献しています。

 これまでのAIベンチャーは汎用的な領域が多かったのですが、最近は特定の機能に特化したAIエンジンを開発して、それを自ら事業化しているベンチャーの活躍も目立っています。今回は次世代を担う非常に面白いAIを活用した5社を紹介します。

 トライエッティング(名古屋市中区)が提供するSaaS型サービスは「UMWELT」。材料の開発やシフトの作成、出店の最適化など、これまで人間が頭で考えて行ってきた業務の自動化が可能となる。インターネット環境さえあればどこからでも利用が可能で、一つのアカウントを共有することによって、誰でも機械学習のレシピを作成できる点が売り物です。

 経費プロセスのDX化を推進

 岩手大発ベンチャーのエイシング(東京都港区)は「生産性を上げると品質が落ちる。品質を上げようとすれば生産性が低下する」といった製造業が抱える課題を解決するため、機械制御用エッジAIソリューション事業を展開しています。エッジAIは(1)通信遅れを発生させない学習・予測におけるリアルタイム性(2)逐次学習による変化への追従ーといった特性を備えています。

 Miltos(東京都目黒区)が開発した経費監査AI「SAPPHIRE(サファイア)」では、AIが経費申請のチェックを迅速かつ正確に実施することで、経理担当者の負担を大幅に削減することができます。経費だけではなく、勤怠や画像、GPSに関する様々なデータを組み合わせて分析することで、経費プロセスのDX化を推進します。

 SNSから同一の嗜好性を発見

 AIQ(東京都千代田区)のプロファイリングAI「LiveReal」は、インスタグラムなどのSNSへの投稿内容から、年代や性別、興味関心といった属性を可視化し、同一の嗜好性を発見できます。サービスとしてはツアーを想定しており一般ユーザーをツーリストと定め、ツーリストたちと同一の嗜好性を持つ人が商品選びのポイントを案内したります。企業の人間がプロガイドを務める有料ツアーも想定しています。

 においの“Google”

 ありとあらゆる「におい」の可視化データを1つにする、においのGoogleともいえる「iinioicloud」を展開しているのがレボーン(東京都目黒区)です。嗅覚の一瞬を切り取る技術を活用して、独自開発したセンサーによって香りを情報化しAIで解析します。世界中の香りに関するデータを使用し、嗅覚の領域に新しい定義を導入し、革新的なIoTデバイスやAIの研究開発に取り組む考えです。

 政府は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、AIの活用を推進する考えを示しています。AIベンチャーのさらなる活躍が見込めます。

大学卒業後、外資系IT→ベンチャー起業→外資系コンサルティングファームを経てデロイトトーマツベンチャーサポートへ入社。IT事業を中心とした新規事業の立ち上げをエンジニアリング・マーケティングの両輪の立場にて複数経験後、AIを活用したデジタルトランスフォーメーションでのコンサルティングに従事。官公庁から事業会社までの幅広い分野にてテクノロジーの知見を活かした支援を実施。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus