Fromモーニングピッチ

フードベンチャーが食の未来を創る 世界的な需要増に商機 (1/3ページ)

坪井大輔
坪井大輔

 デロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「Morning Pitch(モーニングピッチ)」というイベントを開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげるのがねらいです。残念ながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のためオンライン開催となっていますが、いずれ会場(東京・大手町)でのライブ開催に戻す予定です。

 モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回は「フード」です。テーマ概観を説明するのは、イノベーションソリューション事業部の坪井大輔です。FoodTech領域を含め第一次産業に関連したベンチャーの協業支援や、大企業の新規事業創出支援などに携わっています。

 今回は食領域を巡る国内外の新たな動きを振り返ってみます。

20年、米IPOで最大級の調達額

 海外では米国の料理宅配サービス最大手、DoorDash(ドアダッシュ)の動きに注目が集まりました。ニューヨーク証券取引所への新規株式公開(IPO)で33億7000万ドル(約3500億円)を調達し、2020年に米国市場でIPOを果たした企業としては最大級の調達額となったからです。

植物肉で海外攻勢

 国内ベンチャーの動きも活発です。植物肉「ミラクルチップ」を製造するDAIZ(熊本市中央区)が10月に、国内外で飲食事業を展開するきちりホールディングスと資本業務提携を締結しました。DAIZはすでに10億円を超える調達を行っており、今回の提携で外食のチャネルを確保。生産体制の増強や海外を見据えた活動を本格的に進めていきます。

 クラウドキッチンのプラットフォームを展開するcookpy(東京都港区)は11月に「プレシリーズAラウンド」という領域で資金調達を実施しました。同社は稼働率の低い既存飲食店のキッチンスペースを活用して、デリバリーとテイクアウトを行っています。

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