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途上国から世界に通用するブランドを作る マザーハウスの絶え間ない挑戦 (1/2ページ)

 「Founders Night Marunouchi」は、スタートアップの第一線で活躍する経営者から学びを得ることを目的に、三菱地所が運営する起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」と、イベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」との共同開催のイベントシリーズです。2019年10月より月2回、新丸ビル10階にある東京21cクラブにて開催しており、2020年4月からはオンラインにて開催しています。

 今年1月13日に開催された「Founders Night Marunouchi」では、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもと、途上国にある素材や人材の可能性に光を当てたバッグやジュエリー、アパレル商品などを展開している、マザーハウス代表取締役副社長の山崎大祐さんをお迎えしました。

 2020年は新型コロナウイルスの影響で、アパレル業界に大きな打撃を与えました。

 しかし、マザーハウスでは店舗営業の再開後には昨年を超える売り上げを記録。オンライン販売での注文も伸び続けているといいます。2020年7月には回収したバッグのレザーを再利用し、再びバッグや小物にリメイクする「RINNE」の販売も開始しました。

 国内に250人ほどの従業員をかかえるほどにまで成長した同社。さらには、バングラデシュをはじめ、計11カ国で約650人のスタッフが働いています。今回は、マザーハウスの成長する鍵となってきた“コミュニケーションの工夫”について伺いました。Peatix Japan 取締役 藤田祐司さん、東京21cクラブ運営統括の旦部聡志がモデレーターを務めました。

 目標数値だけでなく、実現した先にある未来も伝える

 マザーハウス副社長に就任する前は、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務していた山崎さん。エコノミストとして、日本とアジア経済の分析、調査、研究に従事していました。

 そんな山崎さんは会社を成長させるうえで、数字と“あることを”を重視したと言います。

 「創業時から細かく損益分岐点の計算をし、どの数値を追えばいいかを厳しくみました。社会的なミッションの達成を目指す企業ほど、キャッシュの確保は大切になるからです。しかし、私だけが数字に厳しくても仕方ありません。目標数値達成のためには、従業員も一緒の方向を向くことが重要になってきます。そこで、従業員には『売上10億円達成すると、こんな未来がくる』といったように、実現した先にあるものを一緒に伝えてきました」

 会社としての目標達成だけでなく、その先にある未来やスタッフの生活がどう変わるのかも伝えていく。その過程で苦労したエピソードとしても、山崎さんは紹介してくれました。

 「当初は理解されないことも多く、『ついていけない』『そんな目標は達成できない』と責められ、退職してしまう社員もいました。でも、目標を達成できれば、会社のミッション達成につながり、結果みんなの生活もサステナブルになるんだ、という本音でのコミュニケーションを毎月のように伝え続けたところ、徐々に全員が同じ方向を向けるようになってきました。たとえば、創業5年目、中期経営計画2年目の時に売上が前年比2倍増となったんです。しかし、まだまだ経営状況としては厳しい状態でボーナスも支払えない。そこで、会社として何ができるかを考え、1人3000円のボーナスをポチ袋に入れて渡しました。今は普通にボーナスもきちんと支払える会社になりましたが、中には当時のポチ袋を今でも大切に保管している人もいて、わずかな金額でしたが、ボーナスを渡せてよかったなと。こうした積み重ねによって、今はマザーハウスに関わるみんなが同じ方向を向き、目標に向けて頑張れていると思います」

 従業員と同じ旗に向かって成長してきたマザーハウスですが、それは国外の工場で働く約350人のスタッフも同様です。モデレーターからは「発展途上国6カ国にもスタッフがいる中、コミュニケーション面で工夫していることは?」という質問が投げかけられました。

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