オープンイノベーションの手引き

ステップ(1)実践にあたっての心構え オープンイノベーションは「手段」だ (3/3ページ)

TOMORUBA
TOMORUBA

オープンイノベーションを実践する上での心構え

 オープンイノベーション実践でも5W1Hは重要だ。

Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)。

 その5W1Hの中でもまず最初に明確にすべきは『Why』『What』であって先程の目的の明確化がそれにあたる。

 『なぜ(Why)』オープンイノベーションなのか。今回『何のために(Why)』、『何(What)』を目的としてこの手段を取り入れるのか。解決したいことは『何(What)』か。

 その次に明確にすべきなのが、『Who(だれが)』。なのだが、これが定まっていない事例も、言わずもがな多いのが実情だ。

 『Who』が定まっていない場合、非効率この上なく、責任の転嫁、ボールが浮く、途中で立ち消える等もここが明確になっていないことに起因する。『Who』が定まっていないまま大企業や自治体に代表されるジョブローテーションが起こってしまうのは最悪だ。

 どの部署や、セクターが実践者なのか。プロジェクトのヘッドは誰なのか。実践『者』は誰なのか。

隠れてはいけないし隠してもいけない。「だれが」も明確に定めることは、非常に重要である。

 オープンイノベーションは新たな価値を生み出す手法であり、経営戦略においては事業を生み出すファクター、要素である。『Who(だれが)』が明確になっていない状態(創造していきたい未来を担えるヒトがいない)で進めていくことは誰もに負こそ生じれど、プラスはない。

まずはやってみることも大事

 今回、まずオープンイノベーションを実践するにあたり、目的を明確化すること・誰がやるかを明確にすることをお伝えした。

 だが、新規事業において、『“正解”を導き出そうとしすぎる』ことは時としてマイナスである。オープンイノベーションは手法だが、新規事業において、“正解”はない。実践してみて初めてわかることが必ず出てくる。

 たとえば、社内リソースを活用できると思っていたが、いざ連携をはじめようとしたときに現場の理解を得ることが出来ずに終わってしまうケースなどもある。当然これらも事前に整理すべき点ではあるが100%確実に進めることができるものはない。

 千三つとも言われる事業創出においては、ある意味、数回失敗を繰り返すだけの気概が必要であり、失敗を織り込み済みでリーンに進めていくことをお勧めしたい。

 最後に、自社の健康状態を可視化するツールとして、オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」で事業創出にあたって必要となるチェックポイントをまとめたシートを添付しておく。まず状態を知り、実際に実践をスタートする。そのうえでしっかり項目を埋められるようにすすめていくと良いだろう。(解説:eiicon company 代表/founder 中村亜由子)

AUBA オープンイノベーション チェックシート

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【オープンイノベーションの手引き】は、「オープンイノベーション」のノウハウを解説する連載コラムです。業界をリードするeiicon company代表の中村亜由子氏がわかりやすくアドバイスします。アーカイブはこちら

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