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データ分析は企業を救う ぶれない信念で成長、その原点とは (1/2ページ)

東京21cクラブ
東京21cクラブ

 「Founders Night Marunouchi」は、スタートアップの第一線で活躍する経営者から学びを得ることを目的に、三菱地所が運営する起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」と、イベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」との共同開催のイベントシリーズです。2019年10月より月2回、新丸ビル10階にある東京21cクラブにて開催しており、2020年4月からはオンラインにて開催しています。

 今年3月24日に登壇いただいたのは、株式会社サイカ代表取締役CEOの平尾喜昭さん。同社は2016年から、広告効果分析ツール「ADVA MAGELLAN(以下、マゼラン)」を提供しています。「マゼラン部長」と表されたCMを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 現在、マゼランは大手企業を中心に120社以上が導入。高いデータ分析力で、テレビCMを打つ企業にとって欠かせない存在となっています。しかし、平尾さんは「創業期はデータ分析が主流ではなかったため、サービスが認められず苦しい期間だった」と当時を振り返ります。

 データ分析の時代なんてこないー。そう言われても、データ分析の先にいる“人々の才能開花”が、今後の企業成長に欠かせないと信じ続けた平尾さん。イベントでは、なぜそのような信念を持ち続けられたのか、どのように成長してきたかを伺いました。Peatix Japan 取締役 藤田祐司さん、東京21cクラブ運営統括の旦部聡志がモデレーターを務めています。

 統計分析の可能性を信じ、チャンスを狙い続けた創業期

 平尾さんが統計分析にビジネスチャンスを見出し、起業した理由として、中学時代の原体験がありました。イベント冒頭では、そんな原体験をもとに創業までの物語が話されました。

 平尾さんの人生を変えるほどの原体験、それは父親が勤めていた会社の倒産でした。倒産が要因で平尾さん一家は数々の苦労を経験。平尾さんは当時の様子を「まるでドラマの世界のような不幸が次々と起こった」と表します。それらの経験を通して、中学生ながらも「どうしようもない悲しみが存在しない社会にしたい」と決意したと語ります。

 時を経て、大学時代。平尾さんは思わぬ形で父親の倒産に向き合うことになります。

 「経済政策のゼミで、父の会社が不良債権処理のケーススタディとしてたまたま取り上げられたのです。統計分析で細かくデータを調べていくと、父の会社は潰れずに済んだのではという考えが浮かびました。倒産した当時は、経営者の勘や経験に依存することが多かった。そのため、データを用いて分析するということは、ほとんどされていなかったのです」

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