CONNECT in 丸の内

ファッション特化AIでアパレル業界の変革に挑む 危機を克服した決断とは (2/2ページ)

 「我々は、スタートアップです。出資いただいている株主の期待に背くわけにはいかないし、このままでは会社の方向性に共感して集まってくれたメンバーのモチベーションも下がってしまうという危機感がありました。そのため、受託開発で貯めた資金を自社プロダクト開発に投下し、『これでだめなら、仕方がない』と覚悟を持とうと決めました」

 国内に限らず、海外にもファッション特化AIを広めたい

 ニューロープは、限られた資金でファッションに限らずいくつかの事業をスモールスタートし、仮説検証を行いました。そのうえで、需要がありそうな事業に特化。2017年4月、ファッション特化AIをリリースし、サービス展開を進めていきました。さまざまなメディアに取り上げられたこともあり、導入社数を増加。2019年10月には1億円を超える資金調達を実施し、その勢いを加速させています。

 酒井さんによれば、AIが役に立つこと、立たないことを分けて考える必要があって、業界のことをお客さんに教えてもらいながら、プロダクトのチューニングを続けてきたそうです。

 「例えば大きなトレンドサイクルは、戦後数回しか起きておらず、こういったデータの少ない分野でAIに予測させることは困難です。一方でコレクションを先行指標としたり、シーズンが始まってからマーケットの流れを見たりすることで意味のあるデータや予測を立てることはできます。あくまでもAIは手段で、解くべき課題は日々コミュニケーションしているお客さんにヒントをいただくことが多いです」

 また、酒井さんは同社のファッション特化AIが持つ強みとして、創業時からメディアの運営をしてきたことでAIとコンテンツを掛け合わせたサービス提供が可能なこと、CTOの荒井浩己さんを中心とした技術力の高い開発チームの存在を挙げました。

 「ファッション特化AIを開発する際に、多くの企業がぶつかるのはデータがないことです。私たちは#CBKでのメディア運営を通して大量のデータが蓄積されていたため、コストを抑えた開発ができました。そして、CTOの荒井を中心にエンジニアチームに恵まれたことが、ここまで来るために大きな要素だったと考えています」

 コロナ禍で大きな影響を受けているアパレル業界。同社も影響を受ける側面はあったそうですが、EC向けのリコメンデーションツールを中心に需要が高まり、現在も売上規模を拡大しているそうです。最後に「情勢を見つつではありますが、中長期では海外展開にも挑戦していきたい」と酒井さんは今後の抱負を語り、イベントは締めくくられました。

三菱地所が運営する「東京21cクラブ」は、ビジネス・アクセス共に利便性の高い東京駅前・新丸の内ビルに拠点を構え、国内外の先端スタートアップや大企業、その他様々なプロフェッショナル約600名が集うオープンイノベーションに特化した起業家支援コミュニティです。オンラインを含むイベントやセミナーなどを通じて、ミートアップなどの企業同士の交流の場を提供し、新規事業開発支援を行っています。

【CONNECT in 丸の内】では、三菱地所が運営する国内外のスタートアップとそのサポーター約600名が集う起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」による、イノベーション創出支援を目的とした活動の一部をご紹介します! アーカイブはこちら

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus