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ENEOSが目指す低炭素なまちづくり スマートシティベンチャーが後押し (3/3ページ)

三原悠輔
三原悠輔

 窓ガラスを活用した太陽光発電

 米国シリコンバレーに本社を置くUBIQUITOUS ENERGYは、世界初の透明な太陽光発電窓ガラス「ユビキタス・エナジー」を提供しています。シートをガラスの上に貼り付けることによって、窓ガラスの性能や美観にも影響を与えることなく、紫外線や赤外線という目に見えない光を電気に交換することが可能で、建物内で使う電力の発電を建物自体で行うことを目指しています。建物のほか家庭用電化製品、農業、自動車に使われるガラス部分に置き換えられる製品の開発も計画しています。

 現場の紙帳票をシステム化

 Mountain Gorilla(大阪市西区)は、製造現場の紙帳票をシステム化する業務改善システム「カカナイ」を提供しています。スマートフォンやタブレットを起点に業務効率の向上を図り、製造現場のデータを収集できるクラウド型課金モデルのサービスです。

 オーダーメイド型で使いやすく拡張性が高い点が特徴で、使い勝手の良さからサービス継続利用率は99%以上という高い実績を誇っています。製油所での実証試験では年間36万円の利用料に対し、500時間を超える業務量の削減を達成しています。

 磯焼け対策として陸上でウニを畜養

 健全な藻場は海の生き物の産卵場所や住処となっています。CO2を吸着する役目も果たしており、地球温暖化対策を進める上でも重要な場所です。しかし浅海では海藻がなくなり砂漠のような「磯焼け」という現象が深刻化しています。要因の一つがウニによる食害です。駆除されたウニを陸上で畜養し、おいしいウニを育て海の環境保全と地域漁業、経済の持続的発展を具現化する循環型ビジネスを展開しているのがウニノミクス(東京都江東区)です。スマートシティの高度化に向け、こうしたベンチャーとの協業の動きも活発化するでしょう。

 スマートシティに対するニーズは日本だけでなく新興国でも高まっています。急速な都市化によって渋滞や大気汚染、下水道などインフラ整備の不足といった問題に直面しているからです。このため日本もスマートシティ関連の輸出支援を強化しており、ENEOSが進めるようなベンチャーとのオープンイノベーションは加速するとみられます。

前職の商社にて、エレクトロニクス業界の部材・材料の海外営業を担当し、米国赴任時にはスタートアップの調査・分析をするビジネスアナリストとして従事。2018年にデロイトトーマツベンチャーサポートに入社し、官公庁のAIスタートアップと大企業とのオープンイノベーションプロジェクトを経て、現在は主にエネルギー業界の事業会社向けに新規事業開発コンサルティングおよび社内新規事業制度の立案・運営などに従事。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

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