フィギュア宮原も参加する「勉強会」 大学スポーツ界の「文武両道」対策 (1/2ページ)

文学部の勉強会に参加し、サッカー部の小林隆人選手に履修科目のポイントを教わるアイススケート部の宮原知子選手(右、関大提供)
文学部の勉強会に参加し、サッカー部の小林隆人選手に履修科目のポイントを教わるアイススケート部の宮原知子選手(右、関大提供)【拡大】

 全米大学体育協会(NCAA)を参考にした新たな大学スポーツの統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS)」が3月に発足する。収益力やブランド価値向上につながる大学、競技を横断した活動に注目が集まる一方で、スポーツと学業をどう両立させるかが課題。新組織では、学業成績によって試合出場の可否を判断する制度の導入を予定しているが、成績が上向かなければ試合に出られない状態が続くことになる。学生が主体となって定期試験前に勉強会を実施している関西大学の取り組みを紹介する。(上阪正人、岡野祐己)

 勉強会を始めたのは200人以上が在籍する大所帯のサッカー部。かつては単位が取得できずに留年する部員も多かった。そこで、部員同士で教え合うことに。学部別に勉強が得意な部員が教師役となって他の部員を指導している。

 現在はUNIVASの制度と同様に、半年で15単位以上などの基準を設け、取得できていない部員には試合出場を制限するルールを設けている。しかし、勉強会を始めて以降は取得単位数が足りずに試合に出られなくなった部員は4年間で3人にとどまっている。

 勉強会の「輪」は体育会に加盟する他の運動部にも広がっている。文学部の勉強会にはアイススケート部に所属するフィギュアスケート女子の宮原知子(さとこ)選手が参加。現在3年生の宮原選手はグランプリシリーズなどの国際大会に出場したため、継続して授業に出られなかった科目の内容をサッカー部員らから教わった。

続きを読む