働き方

“阿波踊り”のための「自分の働き方改革」が、「全社の働き方改革」になるまで (2/5ページ)

 入社2年目でやっと仕事に慣れ始め、「これからは自分の時間を持ち、好きなことをやりたい」と考えていた矢先、偶然、徳島県の伝統芸能「阿波踊り」の動画を見て「私がやりたいのは、これだ!」とひらめいたという。やるのなら本格的に習おうと、都内のある“連(阿波踊りの団体の単位)”に参加を決めたものの、練習時間は週1回、平日の午後7時から。午後8時以降に退社するそれまでの生活では、とうてい参加は難しかった。

 「一人働き方改革」から、営業部門全体の課題を解決することに

 「練習に参加するためには早く帰るしかない。今までのように、ぬくぬくと会社に残っていては駄目だ」--そう考えた齋藤さんは、日々の作業を紙に書き出して見直し、時間を短縮するためのヒントを探す“一人働き方改革”を始めた。

 それまで与えられた作業をがむしゃらにこなしていた状況から、一歩引いて俯瞰し、それぞれの作業を、かかる時間ごとに「小」「中」「大」の3つに分類して整理。すると、「仕事を最短時間で終わらせるために、それぞれの作業をどう順序立てればいいか」が明確になっただけでなく、営業部門全体の作業フローを遅らせていた問題に気が付いた。それは決裁フローの冗長化だ。

 「当時は、見積もりを承認に出して決裁が下りるまで1週間ほどかかり、お客さんを待たせてしまうこともしばしばでした。見積書のフォーマットも決まっておらず、『とにかくExcelで作ればいい』程度のルールでしたし、担当者が自席でPCを開いているときしか承認が出来ない仕組みだったので、結果的に時間がかかっていました。社長に決裁してもらうために、わざわざ秘書さんに電話して頼んだこともありましたね」

 当時、部署内で最も頻繁に見積書を作成していた齋藤さんは、上長にアドバイスをもらいながら、オンラインでフロー図の書き方を調べ、承認プロセスを図案化。すると、1件の承認に営業部門から経理、社長まで10人ほどの社員が関わり、特定の人が同じ案件を複数回にわたって承認している箇所や、同じ内容を異なるシステムに複数回入力するプロセスなどの“ムダ”が見えてきたという。

 そこで齋藤さんは、承認フローの短縮や見積書のフォーマット化を、上長や営業部長に直談判。ちょうど社内で「働き方改革」を推進していた中、他の営業からも賛同が集まり、エンジニアに見積書を自動作成するフォーマットを作ってもらった。新たな承認フローでは、決裁に関わる人数を半分近くに減らし、一人の担当者が複数回承認する状況を解消した。

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