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「自分をゆるめる」 働き方改革・飛騨千光寺の住職に聞く (3/4ページ)

 「私は伝統仏教の瞑想を医療や福祉の現場で役立てたいと考えて、京都大こころの未来研究センターで平成20年から2年間研究していました。米国では1970年代から先行研究があり、効果は3つに分類できます。ストレスの緩和、心身の健全な能力アップ、そして人間性の向上です」

 「効果があるのは大人だけではありません。小学3年生に、朝の読書の時間を使って5~10分の瞑想を1カ月続けてもらうと、自主性や集中力が高まるとの傾向が出ました。上越教育大の先生との共同研究で平成24年に論文発表しました」

 --なぜ医療者向けに指導されているのですか

 「医療者は慢性的な長時間労働に加えて心の深いところで人と関わるため、疲弊する傾向にあるからです。15年ほど前、緩和ケア病棟の看護師が燃え尽き症候群になって訪れてきました。現実から離れるようにとおにぎりを持たせ、山の上のお堂で3日間、ぼうっと過ごしてもらいました」

 「ストレスの真ん中にいるとき、人は主観にどっぷり漬かっています。彼女は4日目になってようやく、自分を客観的に見つめることができた。必要以上に自分を追い込んで焦っていたことに気づき、6日目には元気になって帰りました。人間には自然治癒力があり、瞑想はそれを引き出すことができるのです」

 「直観」を養う

 --その方はどんな瞑想に取り組んだのですか

 「呼吸を整えて集中する『ゆるめる瞑想』に時間をかけました。私は対人援助を目的として行う瞑想を『臨床瞑想法』と呼び、4つのメソッドに分けています。まず、ゆるめる瞑想。次に自己を見つめて思索をめぐらす『みつめる瞑想』。心身の機能を高める『たかめる瞑想』。そして大いなるものに意識を向ける『ゆだねる瞑想』です」

 --瞑想をするのとしないのとでは、そんなに違うものなのでしょうか

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