ニュースを疑え

「自分をゆるめる」 働き方改革・飛騨千光寺の住職に聞く (4/4ページ)

 「かつて日本人には、静かに座るという習慣がありました。神棚に手を合わせ、仏壇にお参りし、聖なる場所である床の間の前で家長の言葉を聞いた。そうして『直観』を養っていました」

 「直観は『直感』とは違って、腹の底から湧き上がってくるような深いひらめきのことです。昔は日常の中にも非日常の空間や時間があったから、自然と身についた。けれども生活様式が変化した現代では、意図して非日常を作らねば養えません。アップル創業者のスティーブ・ジョブズだけでなく、日本の一流の経営者も、そうした非日常を大事にしているようです」

 健康づくりの休暇を

 --働き方改革に対応した企業の取り組みとして、瞑想を取り入れることは可能でしょうか

 「たとえば、ボランティア活動をしやすくするために作られたボランティア休暇のように、健康づくりに特化した休暇を導入してみてはどうでしょうか。ただ休むのではなく、運動や瞑想など、予防医学に効果のあるメニューを用意し、自分に合ったものを選んで行ってもらうのです。これなら労使双方が関心を持って取得しやすい休暇になると思います」

 【プロフィル】大下大圓(おおした・だいえん)

 1954年、岐阜県生まれ。飛騨千光寺住職、日本臨床宗教師会副会長。12歳で出家し、高野山大文学部仏教学科卒業後、スリランカへの修行留学で仏教瞑想を習得した。日本体育協会公認スキー指導員の資格も持つ。著書に『いさぎよく生きる-仏教的シンプルライフ』(日本評論社)など。働く人のために臨床瞑想法を紹介する『瞑想力』(同)も近日刊行予定。

 【用語解説】「ニュースを疑え」

 「教科書に書いてあることを信じない」「自分の頭で考える」。2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑・京都大特別教授は、受賞決定の記者会見でそう語りました。ニュースは、世の中で起きているさまざまなできごとのひとつの断面にすぎず、うのみにしていいものばかりとはかぎりません。時事問題を的確に知り、事実から「真実」を見極めていくには、どうすればいいでしょうか。「ニュースを疑え」は、各界の論客にニュースを違った角度から斬ってもらい、考えるヒントを提供する企画です。

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