ただ、個人的には理想の上司像と、そのマネジメント術などは直接見て、マネするのが一番だと考える。職場や取引先の管理職を観察し、仕事のすすめ方、褒め方や叱り方、職場での振る舞いを真似しよう。
なお、筆者は大学の教員をしているが、学生を指導する上では、会社員時代の上司のマネジメントスキルを真似している。お陰様で理想の上司とも言える人と働いた経験が何度かあり、その時のスキルが役立っている。
より具体的には、褒めるときは劇的に、かつ具体的に褒めること、難易度が高い課題についてはいかに乗り越えることが楽しいかを伝えヒントを与えること、指導するときは人格ではなくあくまで行為について具体的かつ簡潔に指摘することなどだ。課題提出の締切を守らせるために、納期についてさりげなくプッシュするのも、上司から学んだことだ。自分の一挙手一投足を通じて、プロのレベルの差を伝えることも、その一つである。
というわけで、理想の上司ランキングはあくまで面白がりつつ、理想の上司とはどんな人か、自分がそうなるために、何をするべきかを考えよう。4月1日が迫ってきた。新社会人がデビューする。あなたは、新社会人に対して恥ずかしくないレベルの仕事をしているか。成長しているか。この機会に胸に手をあてて考えてみよう。
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【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちらから