元受付嬢CEOの視線

「マスク論争」に元受付嬢が一家言 重い花粉症でも私は着用を許されなかった (2/4ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 私個人としても、受付嬢がマスクを着用して接客することには違和感を覚えます。受付業務中は薬などで症状を抑えるよう努めていました。

 飲食店のホールスタッフも受付嬢と同様に、お店の「印象を提供」し、お客様との円滑なコミュニケーションが業務の一端と考えられます。そのため、マスクをして働くホールスタッフはあまり見かけないのです。

接客でマスク着用 やるなら徹底すべし

 適材適所の役割や格好がある。このように考えてマスクを着用するのであれば、「会社の考え」として徹底してやらなければいけないと思います。お店や銀行、役所によっては、訪問者に対して「感染病予防のため、マスクをしたまま業務しております」などと張り紙をしているところもあるようです。誰のための予防かははっきりしませんが、お客様からお金をいただく、あるいは住民のための手続きをするシチュエーションと考えれば、最終的には、訪問者のための施策であると推測します。

 しかし、このような記載をするのであれば、スタッフ全員が徹底してマスクを着用するべきだと思います。マスク着用者がまばらで徹底されていないと、訪問者への配慮という意図が薄れ、働く人に対する印象にも影響が出てくるのではないでしょうか。

ビジネス全般で「マスクNG」 そのワケ

 さらに私は、接客業に限らず、ビジネスシーン全般でのマスク着用にも否定的です。これは、具体的なシーンを想像していただければ少しご理解いただけるのではないでしょうか。

 会社で役員に就いている人で日常的にマスクを着用している人が周りにいるでしょうか。(少なくとも、私が受付嬢時代に勤務していた会社内では見たことがありません。)極端な例かもしれませんが、日本の首相がマスクをして外交しているシーンを見たことがありますか? 選挙の候補者がマスクをしたまま演説しますか? 要人や政治家がマスクをしたままこのような公の場に出ていたら、良い印象は持たれず、逆に否定的な意見が飛び交うでしょう。

 ビジネスシーンでのマスク着用は結局、これらと同じ状況に該当すると思います。ビジネスは公の場です。公の場でマスクをしたままコミュニケーションをすることに何かメリットや正当化できる理由があるのでしょうか。

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