元受付嬢CEOの視線

プレゼン資料作りの極意 「小技」と「バランス」で苦手意識を克服する (3/3ページ)

橋本真里子
橋本真里子

“パワポ歴”の浅い私が実践するスキルアップ方法

 現職に就くまでパワーポイントに触ったことのなかった私がスキルアップのために自分に課していることがあります。それはズバリ、プレゼンの機会を作り、その資料をパワーポイントを使って自分で作ることです。

 弊社では毎月月例会を行なっています。その最後に代表である私の小話コーナーがあります。ここで使う資料は基本的に私が作っています。使える機能が少なすぎて、よく表現すればシンプルです(笑) 反対の表現をするとお粗末…。そんな資料で私は毎月社員にプレゼンをしています。最初は恥ずかしくて、社内で誰かに手直ししてほしいな…なんて思っていました。しかし、今となっては少しずつですが、お粗末な資料をカバーするためにプレゼン力を磨こうと努力し、資料を少しでもアップグレードしようと毎回新しい機能を取り入るようにしています。

 こうして私は自分の中でプレゼン力と資料作りのスキルアップに相乗効果のようなものを持たせられるようになりました。どんなことでも自分でやってみないと上達しない。資料作りもそうだと思います。自分自身で見ると「お粗末な資料で恥ずかしい」と思っていても、プレゼンを聞いている人は意外と「シンプルで見やすいな」と思ってくれたりするものです。恥ずかしがらずに、自分で話したい内容を考え、ストーリーを作り、資料に落とし込む。これをやるとおのずと語りかけるような話し方になってきます。話すストーリーや資料を他人が考えて作ったものだと、それは単なる「台本」になってしまうのです。

 プレゼンは人前で行うものです。ついつい自分を大きく見せたくなります。しかしいきなり上級者を目指すことや、そう繕うことは逆効果です。上手に話そうとする必要はない。たいそうな資料を準備することはない。自分の考えを自分の言葉で伝える。これが良いプレゼンに近づく極意だと思います。

 みなさんの身近にもプレゼン上達のためにできることがあるはずです。まずはひとつずつ始めてみてください。苦手なものが多いより、好きなもの・得意なものが増えたほうが人生は豊かになると思います。

橋本真里子(はしもと・まりこ)
橋本真里子(はしもと・まりこ) ディライテッド株式会社代表取締役CEO
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら

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