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女性にこき使われてナンボ? 娘に尽くす警官に見るイタリア文化 (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 車内に乗り込んできた娘にある包みを渡す。

 「さっき警察のオフィスで受け取ってきたよ」と。

 娘がアマゾンで買った顔パックのセットである。マレーシアからの届け先を自宅ではなくパパの勤務先にしておいたのは、昼間自宅には誰もいないことが多いからだ。

 パパが配達するのは当然でしょう、といった感じで無表情に包みをバッグに入れる。

 これが休みのパパの1日か! こんなにも娘に疎んじられながら、彼女に尽くす。

 イタリアで男性が女性に尽くす姿はよく見聞する。すると日本人のぼくの奥さんが「見習いなさいよ」という目でぼくをみる(気がする)。パパが高校生の娘に尽くすのも知ってはいたが、パパが嫌な顔ひとつせずに「理不尽な命令」に従っているのを目の前でみると、やはり年頃の娘のいないぼくは感心する。

 およそ中学までの通学は親が同伴するのがルールとなっているので、子どものために親のスケジュールがコロコロと変わるのはよくある。学校が終わってからの行動でも、親が付き添うことは多い。

 この習慣が高校生になっても続く傾向にある。そういう側面があるのは分かったうえで、「パパ、目立たないところにいてね」と頼まれれば、さほど不快な顔をしないでリクエストに従う親とは何だろうか?と考えてしまったのである。

 ムッとすることにも馴れたのか。家庭のなかの何らかの力学が働いているのかもしれないが、部外者にとっては落ち着かない光景である。

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