社会・その他

無人運航船が導く大革命 「海のドローン」経済効果1兆円、国際競争も加速 (3/4ページ)

SankeiBiz編集部

 もちろん、安全面や環境面へのメリットも見逃せない。海難事故の70%を占めるヒューマンエラーを低減し、死傷者の減少につがるほか、人質を取る海賊活動も抑止できそうだ。

 船体重量の軽減などで省エネ運航が可能になり、温室効果ガスの排出量の減少が見込まれる。内航海運や内陸水運では、自動運転のトラックや無人航空機のドローンと連携することで輸送コストが削減されるだけでなく、地球温暖化問題への貢献が期待できる。

先行する北欧、追う日本

 一口に無人運航といってもいろいろなレベルがあるが、日本財団によると、2040年に想定される無人運航船の姿は次のようなものだ。(1)船の運転は完全無人で行われる(2)推進機関などの管理も無人化されるが、必要に応じ整備のため技術者が乗船(3)運航のほとんどはAIが行う(自律化する)が、重要部分の判断は陸側から遠隔で他人が行う。

 それでは無人運航船の開発は実際に今どういう段階にあるのか、世界の動向を概観してみよう。

 先頭を走るのは海外、とくに欧州だ。EUはドイツがとりまとめとなって、2012年から無人船の概念の構築や実証実験に取り組んだ。2015年には英ロールス・ロイスなど産官学による無人運航船の共同開発プロジェクトが始動し、研究開発を進めてきた。

 そしてフィンランドで2018年12月、国営企業フィンフェリーが世界初の無人フェリーの実証実験(1回目は完全自律、2回目は遠隔操船)についに成功。3~5年後の商業運航を目指している。ノルウェーでもコンテナ船の自動化プロジェクトが進行中で、2020年にサービス開始を予定している。

 一方、日本はやや出遅れていたが、民間では楽天がEコマースの需要拡大や交通渋滞などの物流危機を打開すべく、独自の物流網構想「One Delivery」を打ち出した。ノルウェーのマリタイム・ロボティクス社と無人運航船を共同開発し、ノルウェーでの実験を終え、今後は日本でより実際の環境に近いパイロット検証を開始する。主に大型トラックの代替としての位置づけだ。日本郵船も大型タンカーの自動化などで検討を進めている。

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