日本商工会議所は6日、中小企業の人手不足の状況や今年4月に施行された、働き方改革関連法の準備状況などの調査結果を発表した。「人員が不足している」との回答企業は昨年度調査に比べ、1.4ポイント上昇の66.4%と全体の3分の2を占め、人手不足の深刻な状況が続いていることが明らかになった。
長時間労働を是正する働き方改革関連法では、残業時間の上限を月100時間未満などと規定し、違反すれば罰則対象となる。中小企業は大企業から1年遅れの2020年4月に適用されるが、「対応済み・対応のめどがついている」との回答割合は、約半年前の前回調査に比べ、17.2ポイント増の63.1%に拡大した。
一方で、正社員と非正規の待遇格差を禁じた同一労働同一賃金について「対応済み・対応のめどがついている」との回答は、前回調査に比べわずか5ポイント増の36.0%にとどまった。中小企業への導入時期は21年4月だが、日商では、準備が進んでいない実態について「内容の分かりにくさに加え、増加した人件費を価格に転嫁できない」との声が多いと分析。今後、セミナーなどを通じて周知を図りたい考えだ。