書評

『なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか』石平・著

 ■常識に異議を唱える衝撃の書

 儒教の祖は「孔子」で、「論語」はその言行録-という常識に真っ向から異議を唱える衝撃の書。いわく孔子は哲学者や聖人、教祖さまでもない、いわば人生経験豊かな常識人であり、論語は経典でなく、人生の指南書だという。

 さらに言えば、「孔子=論語と儒教とは何の関係もない」と断じる。儒教とは、漢代に成立し、中国帝国の政治権力と皇位の正当化を図るためにつくられた教学体系であると。南宋時代にできた朱子学はもっとひどい。人間の欲を封じ込め、とりわけ女性を抑圧した。孔子=論語はそこに利用されてきただけという。(PHP新書、900円+税)

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