前野教授は、幸福度が高い従業員は、そうでない従業員よりも創造性が3倍高く、売上は37%高く、生産性は31%高くなるという研究結果を紹介しています(心理学者のソニア・リュボミアスキー、ローラ・キング、エド・ディーナーらの研究)。また、幸福度の高い人は職場において良好な人間関係を構築しており、転職率・離職率・欠勤率はいずれも低いという研究データもあります。
前野教授は「幸せを構成する4つの因子」を明らかにし、これらを満たす状態が個々人が幸せに働いている状態であり、そうした従業員が一人でも多くなることで上記の通り、創造性や売上、生産性が向上し、欠勤者や退職者が減るのです。
「やってみよう!」が社員の自己実現と成長の種子となる
第1因子「やってみよう!」因子は、自己実現と成長を育む種子となります。
自分は自分なりのコンピテンシー(能力・強み)を活かせているか、社会の役に立っているか、目標に向かって努力・学習しているかなど、自分が成長し続けていることを実感することで幸せを感じることができる因子です。
- ■第1因子「やってみよう!」因子
- ・「私は有能である(コンピテンス)」
- ・「私は社会の要請に応えている(社会の要請)」
- ・「私のこれまでの人生は変化、学習、成長に満ちていた(個人的成長)」
- ・「今の自分は本当になりたかった自分である(自己実現)」
- (「企業版 幸福度測定のための質問」から。以下同様)
上司のあなたからして、部下のメンバーたちの第1因子を明らかにし、育むには、メンバー個々人に仕事やキャリアのテーマを明確に立てさせ、また自社のミッションやビジョンに共鳴させることが大事ですね。
もちろん目の前の業務、日々の職務についてもしっかり意義を理解させて、それを達成することにワクワクさせるような仕掛けを試みましょう。
今回の社長を目指す法則・方程式:
前野隆司教授「幸せを構成する4つの因子」