働き方ラボ

あの「尻職人」の“ビジネス書”がスゴイ 『グラビアアイドルの仕事論』 (3/3ページ)

常見陽平
常見陽平

 自撮りのノウハウも参考になる。私は言論界の自撮り王と呼ばれているが、いかに私のノウハウが浅はかだったか、猛反省した。自撮りする際のネタの仕込み方、ストーリーが感じられる構図づくりなど、いちいち参考になる。いや、ビジネスパーソンにとって自撮りする機会はほぼないだろう。しかし、これは自社や個人のストロングポイントを探し、アピールするという点で参考になる。

 全体を通じて、単にどう見られたいかではなく、どうありたいかを考えている点に好感が持てた。しかも、すり減らずにしなやかに生き残る方法や、次の仕事を呼ぶ方法も。

 ジャニー喜多川が逝去し、アイドル界には激震が走っている。アイドルとビジネスパーソンは真逆の世界のようで、強みを活かして生き残る、才能を活かすという点では同じだ。この本は単なる芸能本ではない。自社は、自分はどうあるべきかの指南書なのだ。

常見陽平(つねみ・ようへい)
常見陽平(つねみ・ようへい) 千葉商科大学国際教養学部専任講師
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちら

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