社長を目指す方程式

上司を悩ます「できる・できない部下」の扱い方 誰に期待し何を任せるか (2/4ページ)

井上和幸
井上和幸

 各論薄く、しかし絶大な自信を持っている部下。このタイプは、危険です。最初は上司として、なんとも頼もしい部下だと期待し、受注の大きな期待ヨミに入れておいたら、結果は「いやー、今回はダメでした」。

 これがたまたま一度ならいいのですが、その後も「絶対行けます」「大丈夫です」と失注を繰り返す…。ヨミの甘さと能力の低さは比例しますが、自分の能力自体をそもそも過大に評価しがちなのは能力不足な人なのです。

 能力が低い人の特徴

 「ダニング=クルーガー効果(Dunning-Kruger effect)」とは、能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアスです。デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーによって1999年に定義されました。なぜこのようなことが起こるのでしょう?

 ダニングとクルーガーが2012年に行なった「なぜ能力の低い人間は自身を素晴らしいと思い込むのか」という調査によれば、能力の低い人間は以下のような特徴があることが分かったそうです。

  • 自身の能力が不足していることを認識できない
  • 自身の能力の不十分さの程度を認識できない
  • 他者の能力を正確に推定できない

 「井の中の蛙」と言いますが、自分の能力、実力についてフィードバックを受けていない(受けても聞いていない)。他者で自分より優れている人たちのことを知らない、情報収集していない、他者と自己を比較、位置付けることができていない。

 逆に力がある人ほど、このフィードバックを常に受ける、他の優れている人たちから学ぶ、自己と他者を正しく比較位置付けできることから、自分を過大評価することはないのです。

今回の社長を目指す法則・方程式:

「ダニング=クルーガー効果(Dunning-Kruger effect)」vs「インポスター症候群(Impostor syndrome)」

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