東京商工リサーチ特別レポート

業者倒産で工事が中断した「有明テニスの森」の今 五輪に間に合うのか (1/3ページ)

 東京五輪・パラリンピックのテニス会場となる「有明テニスの森」(江東区)。2018年10月に工事を請け負った会社が倒産し、工事の一部が中断した。前代未聞の事態だったが、今、「テニスの聖地」と呼ばれる会場の工事はどうなっているか。東京商工リサーチ情報部が取材した。

 現場では、完成後のテニス会場のイメージ図を眺める2人の女性がテニス談義で話が弾んでいた。会場の工事を引き継いだ会社が猛暑の中、奮闘。工事は追い込み段階で、今年9月開催の国際大会「楽天オープン」には間に合う予定だ。

 創業者が役員退任後も取締役会を仕切る乱脈経営

 当初工事を受注したのは、エム・テック(さいたま市)だった。同社は事業の急拡大で管理体制が疎かになり、昨年10月1日東京地裁に民事再生法の適用を申請し、11月に破産へ移行した。

 エム・テックの債権者集会が今年7月3日、東京都港区で開催された。元従業員や債権者など100人以上が出席。出席者や関係筋によると、破産管財人の説明では、エム・テックは創業者であるA氏がほとんどすべての期間において専断的に経営してきた。A氏は2015年9月に代表取締役を退任し、2016年3月には取締役からも退いたが、その後も「社主」や「オーナー」などと称して取締役会を主宰していた。

 人事権や従業員の処遇、役員報酬などの事実上の決定権を持っていた。

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