社長を目指す方程式

大坂なおみを世界1位にしたコーチから学ぶ「スター社員」の育て方 (4/5ページ)

井上和幸
井上和幸

 私はよく「当たり前の基準をあげよ」という話をするのですが、自分の中の基準値がそもそも低い人は並以下の仕事しかしませんし小さな結果しか出ません。抱いた目標以上のことを成し遂げるということは、基本的にあり得ないと、これまで様々な企業、事業、経営者を多く観てきて(もちろん自分事としても)そう痛感しています。

 「野心を抱いてこそ、成功はあなたのものになる。まず目標を設定し、その目標は必ず達成できると信じる。もちろん、計画を立てることは必要だろう。だが、必ず達成するという決意がなければ、手順も決められない。(中略)ある壮大な野心を抱いたら、一気に山頂を目指すのではなく、毎日小さな目標をこなして、それを積み重ねていくほうが現実的だ。(中略)テニスに限らない。企業の経営者であろうと、成績をあげたい学生であろうと、辛いのは毎日の日課をこなすことではないだろうか。その場合、小さな目標を丹念にこなすことを心がければ、大目標の達成に結びつく。一日一日、こなすべき目標を明確に頭に刻む。そして、一日の終わりに、今日なしとげたことに満足できるかどうか、自問する」(『心を強くする』)

 勝利への道に近道はない

 サーシャがトップクラスの勝利を手に入れるメンタルとして、他に挙げていることを列挙しますと、

 「ボディランゲージで自分の脳を騙せ」「失敗の味を味わっておくと本番で楽になる」「プレッシャーを感じたら、絶好調」「迷ったら絶対に自分ファーストでいい」「メンタルの成長を妨げる、依存性の罠に注意」「極限のストレスを消す初心」「自信は移ろいやすい。だから一瞬で最高レベルにもあげられる」「一度夢に描いたら、私は絶対に負けない。想像力を使って、あらゆる場面を解決済みにしておく」「ありとあらゆる小さな勝利を、人生最後の勝利だと思って喜ぶ」「二番目に甘んじるのは、自分を大切にしない人」

 などで、大きな目標、野心を持ち、その上では逆に日々の継続的、習慣的な地道な取り組みの積み重ね、絶対に最終的にトップに立つのだという粘りこそがトップクラスの勝利への道。ショートカットなどない、と私たちに伝えてくれています。

今回の社長を目指す法則・方程式:

サーシャ・バイン「Strengthen Your Mind(心を強くする)」

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